前編に引き続き、アドビ システムズ(以下アドビ)が3月に開催したマーケティングカンファレンス「Adobe Summit2018」に参加し学んだ知見から、ユーザーのエクスペリエンスやそれがもたらすシェア行動に着目したマーケティングツールの重要性について、未来視点で紹介します。
マーケティング/クリエイティブ業務のアップデート
少々閑話休題ですが、刺激的なカンファレンスの合間に、Adobeさんのブースでいろいろソフトやツールを試させてもらったのも、こういうイベントのいいところだなと思っていました。
例えばこんな風に、自分の顔を一瞬で認識して年齢とかコンディションを判別されたりもします。ちなみに、アドビのソリューションだとゲーム上のキャラクターに対しても同じ仕組みでプロファイリング分析ができたりしちゃいます!
こういう技術と売り場でのエクスペリエンスとかを組み合わせてソリューション化していく時代もそう遠くないだろうな…と感じた次第です(※撮影当時は31歳でした。あとショットのタイミングが悪かったのですが、このあとすぐにSmilingはYesになっていました)。
さて、このように限られた紙幅ではありますが、振り返ってきたAdobe Summit2018の内容を少々未来視点でラップアップしていきましょう。
まずなんといっても、Adobe Senseiがいかに革新的に僕たちの作業や発想を助け、マーケティング/クリエイティブ業務をアップデートしてくれるのか——という衝撃を挙げておかなければなりません。人間の発想やディレクションはまだまだ欠かせないものですが、私たちの仕事の多くの部分が、精度の高いツールによって「省略」することができつつあるわけです。
AIをいかに人間の創造性を拡張するために使うのか、これが今後の企業の成長性の要にくる命題だと思うのですが、アドビは間違いなくそのリーディングカンパニーの位置にいるのだなという感慨を持ちました。
そのように定型的な作業はAIがやってくれるようになった時、自分がさらに上位レイヤーで高度なことができなくてはいけなくなるわけでもあり、焦りのような感覚を覚えたのも事実です。もちろん、裏返せば、こういうツールを使いこなして他の人には到達できないソリューションを生み出せる人の価値は爆上がりするということでもあるわけですが、そのためには自分のスキル(データアナリティクス)とかセンス(データデシジョン)をたゆみなく磨いていかないといけないなと痛感しました。
カンファレンスでたくさん情報がインプットされて結構頭はヘトヘトだったのですが、逆に気分は覚醒しまくるという不思議な体験でした。
ヴァージングループのリチャード・ブランソンからの学び
日本からのSocial Insiders枠で同行していた、THE GUILD代表でピースオブケイク CXOの深津貴之さんは以下のようにカンファレンスを総括されていました。
#AdobeSummit 見た限り、これからの広告ワークフローは、「マーケ部がデータ推論とAIで、勝率の高い絵コンテやポンチ絵を自動生成」→「クリエイティブチームが、絵コンテベースにバッキバキに清書する」という流れになりそう。 つまりクリエイティブ提案の機能はクリエイターから失われる可能性。
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年3月29日
これが良いことなのか、悪いことなのかは、あと5年たたないとわからん。こんごクリエイターが提案レイヤーに残るためには、クリエイター自らデータ解析やAIに関して理解してる必要がありそう。
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年3月29日
仕事がなくなると考えるより「マーケチームと連携でき、データ解析でコンバージョンの保証された絵コンテを作り、制作会社をディレクションできる数値コミット型のアートディレクター」という年収数千万の戦略級デザイナー職が新しく生まれる…と考えるとポジティブ。 #AdobeSummit https://t.co/NWTFOopI6Y
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年3月29日
アドタイを読む方々には様々なバックグラウンドを持つ方が多いと思うのですが、各自こうしたクリエイティブ環境の進化とどう向き合うのか、一刻も早く自分ごと化して動き始めるべきだと思います。