「仕組み」を整えることで発言が活発に
藤崎:そうした新しい発見を得て、最近アンバサダープログラムを拡充したそうですね。
室井:はい。今年から「マイページ」というアンバサダーのための個人ページに、日々のアンバサダー活動を見える化する機能を追加しました。
さらに、ディーライフアンバサダーサイトを新たにオープンして、アンバサダーのみなさんからの声をまとめて掲載し、可視化することに重点を置きました。
また、登録者にお送りするメールも、アンバサダーだからこそ得られる「特別感」を意識して、公式サイトなどで誰でも閲覧できるものとは違う、一歩踏み込んだ情報をお伝えするようにしています。
藤崎:ファンが日々の推奨活動に意欲が湧く仕組みを整えたということですね。
室井:はい。その結果、アンバサダーの発言数が2倍以上になり、活発になりました。登録者ひとりひとりのアクティビティが活発になったのです。
藤崎:それはすごいですね。
室井:アンバサダーサイトにイベントレポートを載せたり、頂いた感想を掲載して可視化したりしたことで、アンバサダーにとっても、日々の活動を確実に見てもらっているという実感につながっていると思います。
藤崎:それがアンバサダーにとって、よい励みになっているのだと思います。ファンは大量のフォロワーを有するインフルエンサーのような人ではありません。しかし、公式サイトで取り上げることで、人の目に触れる機会は確実に増えます。気になった人が繰り返し見ることもできます。その結果、長い目で見れば確実に効果をあげていくと思います。
室井:そうですね。あとは、アンバサダーがお互いに啓蒙し合える効果が生まれたことで、コメントの内容自体も変わってきたと思います。
他のアンバサダーがどういう投稿をしているのか、お互いに見ることができるので、どの発言が「いいね!」がたくさん付いたかもわかりますし、どのように書けば効果的なのか、意識されるようになった方がかなりいらっしゃると思います。
藤崎:他の人に伝わるクチコミをしたいというファン心理はよくわかります。アンバサダーも反響が増えるとうれしいでしょうし、自分たちもディーライフのために貢献したいと考えていると思います。
室井:こうしてせっかくファンの声が集まったのですから、今後はプロモーションでアンバサダーサイトを露出させたり、他のディーライフのプロモーションに「ファンからこういう声が寄せられています」と、集まった声を引用したりする活用法が考えられると思います。このように成果が出てくると、手間やコストはかかりましたが、もっと早い段階からアンバサダーサイトを作っていれば良かったな、とも思いました。
藤崎:ツイッターだけでなくインスタグラムもだいぶ使われていますね。
室井:はい。アンバサダーの発言には「#Dlifeアンバサダー」などの共通ハッシュタグを使っていただいています。みなさん、番組やネタに合わせて、自発的に様々なハッシュタグを付けている場合も多いようです。
藤崎:アンバサダーと企業との「関係性の明示」という点では、ハッシュタグを使って、発信者の立場を明記しなければいけません。クチコミマーケティグの点でもお手本のようなケースです。