ファンのモチベーションは企業や周りの人に読まれている意識(ディーライフ)

ポイントで「ファンへお返し」

室井:アンバサダーの方々にはWin-Winの関係として、やり甲斐があるなという満足感をもって頂くことも大切です。その一環として、発言に対してポイントという形でお返しをできたらと考え、今年からポイント制度も導入しました。いい発言をたくさん頂いたら、それに合わせてポイントを付与させて頂くことになっています。そうした工夫も、モチベーションをあげることにつながっていると思います。

藤崎:ポイントの利用方法はどうなりますか?

室井:貯まったポイントの活用法は、まもなく発表予定でいます。

藤崎: 企業と消費者の関係は、かつては遠い存在でした。しかし、アンバサダープログラムをやっていると、企業とファンの関係はもっと人間同士のような近い関係でいいのではないかというお話がたびたび出ます。

企業がポイントや特典をお渡しするのは、人間関係でいうお歳暮のようなものですよね。いつも買ってくれて、ファンでいてくれてありがとう、という気持ちです。ただ単に何かをプレゼントするのではなく、企業がお礼としてファンにポイントを提供するというのも、現代的なお礼のひとつの形だと思います。

室井:今後、皆さんに喜んで頂けることを提供していきたいと考えています。

「見てもらえている」ことがモチベーションに

藤崎:先ほどからお話いただいているように、発言数が上がった要因は複数あると思いますが、ファンにとっての一番のモチベーションは何だとお考えですか?

室井:まだはっきりとはわかりませんが、企業や周りの人に「読まれている」という意識は、モチベーションにつながると思います。また、投稿を確認してポイントの付与を行いますから、マイページやサイトを見直しに来る方が多くいらっしゃることがわかっていますので、ポイントをチェックするのが楽しみなことも理解できます。

藤崎:ちゃんと企業が見ていてくれるんだ、という気持ちはとても重要かも知れませんね。

室井:それはありますね。発言したことが反映されてポイントになるので、「見てくれているんだな」という実感につながると思います。

私たちはポイントを、「感想は、受け取っていますよ」という私たちの意思や、コミュニケーションとして考えています。そのことはファンの方には、わかって頂けていると思うのです。つまり、そうした私たちとのコミュニケーションが、ファンの方のモチベーションになっている可能性は高いと思います。

次ページ 「今いるお客様を大切にするマーケティング」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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