外資系企業は「何を成したか」を重視する
質問:外資系の会社に転職を考えています。ジョブインタビューのコツはありますか。
富永:僕はジョブインタビューで、「今回の職務をどのように理解していますか。あなたなりの理解でいいので説明してみてください」という質問を必ずして、的を射た答えができるかどうかで採否を判断します。ほかにも、自分の強みは何か、これまでのキャリアでどのようなホームランを打ったのか、なぜそれができたのか、そういうこともあわせて準備しておけばいいと思います。
松浦:同感です。外資系企業ではどこで働いていたかは問題ではありません。そこで自分が何を成したのか、何ができるのか、それをしっかり説明できることが大事です。
質問:EU圏の支援をしているのですが、国によってマーケティングに対する考え方は違うし、働き方も全然違っていて、みんな好き勝手なことを言います。どんな風にすり合わせをすればいいでしょうか。
富永:僕はグローバルカンパニーの本社にいたことがないので自分の考えを話しますね。
それぞれのマーケットにはそれぞれの文化や文脈があるので、無理やり日本流に合わせることはできません。そこで、これだけは外さないでくれというポイントを伝えます。それは、マーケットでのポジショニングとブランドパーソナリティーです。この二つさえ合わせておけば、そんなにめちゃくちゃにはならないと思います。「ガバナンスはポジショニングとブランドパーソナリティーだけやってほしい。あとはローカルでやっていいよ」という言い方をすると思います。
松浦:時間になりました。外資系企業への転職やキャリアを考えている方がけっこういらっしゃいますので、最後にそうした方々にアドバイスをお願いします。
富永:転職する時でも現職の仕事中でも、選択肢が来た時に、自分は必ずより振れ幅の大きいものを取るようにしています。そもそも自分の前にくる選択肢は、自分の普段の言動から導きだされた結晶みたいなものです。ですから、たとえ突飛に見えることでも越えられるんです。だったら一番大胆なものを選ばないともったいない。やらなかった後悔は人を後々さいなみますが、やってみて失敗した後悔なら納得がいくものです。
松浦:今回は英語を用いたビジネス全般のお話や、マーケティングについていろいろなお話を伺うことができて、僕自身、すごく刺激になりました。本日はどうもありがとうございました。
書籍案内
『マーケティング英語の教科書-完璧ではなくても、仕事で自信を持てる英語』
ビジネスにおける英語は、完璧である必要はありません。本書では、ネイティブのようには話せなくても、ビジネスの現場で頻出する「型」を知って、効率的に現場で使える英語を身に付けることを目指します。