その膨大な数ゆえにクライアント側には実情がわかりづらいのが難点だ。
Macbee Planetはサイト毎のユーザーインサイト分析と、クライアントであるポーラとメディア側の接触機会を設けることで、可視化を実現。ポーラがアフィリエイト広告で得た成果とは。
アフィリエイト広告で美容意識の高い見込み顧客と接点
ポーラは、ポーラブランドを強く打ち出し、LTVの高いECモデルを確立したいという思いから、同社が最高峰ブランドと謳う「B.Aシリーズ」に特化した顧客構造の確立を目指し、そのマーケティング施策のひとつとしてアフィリエイト広告を選んだ。しかしポーラで施策を担当する麻生俊幸氏は、アフィリエイト広告自体には「可視化が必要」という課題を感じていたという。
「私たち、メーカー側とメディアが直接的に会話をする機会はなく、どんな媒体を運用しているのか、何を求めているのか等を把握するすべがありませんでした。また『B.Aシリーズ』は高価格帯に設定されていて、ターゲットも美容意識が高いお客さまを獲得しなくてはいけないという事情がありました。そのため、トライアルで『1000円です』という商材を売る売り方など、いわゆる単品通販のコミュニケーションの取り方とは違うアプローチを思考しないと成功しない、という課題も抱えていました」と当時を振り返る。
ポーラと美容系の企業に特化したコンサルティング型広告エージェンシー、Macbee Planetとの出会いは3年前。成果報酬型アフィリエイトの広告運用を得意とするMacbee Planetは、アフィリエイト広告に特化したツール「Robee(ロビー)」を開発。
Robeeは「掲載サイトの個々の特徴を分析し課題を抽出、その課題に対するソリューションをワンストップで実現するほか、ユーザーインサイトに基づいた改善が可能」なツールだ。Macbee Planet 代表取締役の小嶋雄介氏は「現在、アフィリエイト市場は2500億円規模になっていて、非常に伸びている状態です。それに伴いメディア側も多数参画してくるようになり、アンコントローラブルな状況になっていきました。当社のツール『Robee』はそのような背景で誕生しました」と語る。
ポーラの課題を解決するためにMacbee Planetが考えた施策はふたつ。
ひとつはRobeeを使いサイト毎のユーザーインサイトを徹底的に分析すること。もうひとつはポーラの担当者と美容案件が得意なメディアとの接触の機会を設けるための全国ツアーの実施だ。麻生氏は「当社がアフィリエイト広告に求めているのは、ひとつは購入していただくことと、もうひとつはLTVの高くなるお客さまとの最初の接点としての役割です。
今までは当社の思いをメディアさんに伝えるすべがありませんでしたが、今回可視化してもらい、直接面会することで課題がひとつ解決しました」と話す。
CPA領域特化型ツールを用いてユーザーインサイトを分析
今回、Macbee Planetが取り組んだふたつの施策のうち、ひとつ目はRobeeを活用した「サイト毎のユーザーインサイトの分析」。商品を購入する際、多くの人がキーワードと付随する言葉を掛け合わせて検索する。
例えば「コスメ」を検索する場合、付随する掛け合わせの言葉は「口コミ」「信頼」「お試し」などだ。小嶋氏によると「ふたつ目以降のキーワードにユーザーの心理が隠されている」という。そこでMacbee Planetではユーザーが何を求めているかを起点にサイトの修正やコンテンツを拡充。その結果、あるメディアとの取り組みでは約2カ月間でCVR改善2.5倍(0.92%から3.51%)になった。
小嶋氏は「いま、業界的に注目されているのはクリエイティブです。
オーディエンスデータだけではなくて、それとマッチングするクリエイティブを当てることにより、購買喚起が促進されて売上につながっていく。今回の運用に関してはLPとアフィリエイトサイトの親和性をどれだけ近づけられるか、というところにフォーカスした結果、サイトの訴求の仕方を変えることによって成果を得ました」と語る。
全国ツアーでメディアと直接対話 相互理解で成果を得る
もうひとつの施策は全国ツアーを実施してメディアと直接コミュニケーションを図る機会を提供したこと。「福岡、大阪、名古屋、東京を回り、メディアと直接会う機会を得ました。それにより各メディアの狙いを聞くことができました。逆に当社の思いや、商品の伝え方について双方で意見を交換。お互いWINWINの関係性の中で、結果的に通販領域で、半年で5~6倍のお客さま数獲得という成果を得ました。また記事の質の担保にもつながりました」と麻生氏はメディアとのコミュニケーションがもたらした成果を強調。
「デジタルマーケティングで思うのは、やはりリアルの方が強いということです。実際会って話すと、本質的にお互いを理解しながら我々が求めているものを理解してもらえる。同一の理解、認識のもとで形に出来たのが大きいかなと思っています」と成果を得た要因を分析する。
今後は「メーカーECという立ち位置で独自性を出していきたいと思います」と語る麻生氏。「今まで成しえなかったブランド商材、ハイプレステージブランドコスメをWebで接点を取り、ECという売場でお客さまを拡大していく、LTVの高いECモデルの確立がテーマです。またMacbeePlanetさんとは、Robeeで得た情報を生かしながら、その様なお客さまはリアルだと、どこにいるのか相談をさせてもらいたいし、そういったサービスの成功例を一緒につくりたいと思っています」と語った。
お問い合わせ
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