芸人は売れてからも、さまざまな「悩み」がある(ゲスト:佐久間宣行、角田晃広)【前編】

東京03に角田さんを入れることに関係者多数が反対だった?

澤本:そうですね。同じような条件で、「2人でコンビやってた人が3人になって面白くなったからこの人達を使いたい」と言っても、たぶんそこでは成立しないじゃないですか。誰かがこういう役をやっていただけないと。

佐久間:だからブレークスルーするきっかけ、番組って違うんでしょうね。東京03は僕のやっていた番組でクリエイターの人達に何となく認識されて、最近はその人達に支持されて仕事が増えてくる感じだから。

角田:いいなぁ。響きがいいですよね。「クリエイターの人達に支持されて」って。

澤本:実際に恵比寿の公演を見に行ったら、その場で僕がよく知ってるクリエイターの方が何人かいて、「あ、澤本くんも来てるの」って。僕も初めてとは言わずに「あ、俺も来てますよ」とちょっとカッコつけたりして。

一同:(笑)

角田:澤本さんがかっこつける必要ないでしょ。東京03はクリエイターが多いんですね。ありがたいですね。

佐久間:だって、麻生哲朗さんもずっと来てるもんね。

角田:そうです。本当にありがたいことに来ていただいていて。実際多いですよ。

澤本:デザイナーの人も多かったですよ。

角田:うれしいですね。僕らが「trio de sunshine」をやっていたときに、佐久間さん想像しました? うちの公演にデザイナーのお客さんがいらっしゃるって。

佐久間:その頃を思い返してみると、角田さんが東京03に入る前、飯塚悟志さんと豊本さんの2人が「アルファルファ」というコンビで、角田さんは何というコンビでしたっけ?

角田:「プラスドライバー」。3人組でした。

佐久間:すげーダサいトリオで(笑)。

角田:やめろ!

佐久間:アルファルファは尖ったコントやっていたから、飯塚さんが角田さんを入れようとしたときに、みんな反対したんですよね。「あんなダセー奴入れるな」って(笑)。

角田:そう、反対したらしい。「え、角ちゃん? いやー、大丈夫??」って。

佐久間:「あんな言い方と顔でしか笑わせられない奴はやめろ」って(笑)。角田さんは請われていったと思ってるけど。

角田:それを後から聞いて、知りたくなかったわ!っていうね。でも、結果こうですから。CMまで出させてもらってますからね。ありがたいことですよ。仕事の増え方でいうと、佐久間さんにはマジ歌などで最初お世話になって、そこから歌の仕事が増えたんですよ。「作ってください」と言われて。

佐久間:一時期、マジ歌に角ちゃんが出て、「面白い」と言われたぐらいから、いろいろなところで雑に「歌つくってください」というのが異常に増えてね。

角田:そう言ってくれるの助かります。そうなんです。ちょっと雑めなのが多いんです(笑)。

佐久間:これは業界あるあるなんですけど、『ゴッドタン』は丁寧とは言わないけど、芸人が出てくるときには何人かで話し合って、何回かつくって曲を1個完成させて。曲に限らず、キングコング西野との絡みなども何回かやりながら、ベストなものを探して、それで跳ねるってあるじゃないですか。でも、見た人がそこだけ面白いと思って、「あのやり取りをお願いします」と。角ちゃんの場合は、「マジっぽい歌つくってもらっていいですか」ってね。

角田:そう、マジ歌っぽいやつというのが増えるんですよ。それで一時、歌が嫌いになったことあってね(笑)。

佐久間:いろいろなところにギターだけもって。波田陽区か角ちゃんか、というぐらい。

角田:ギター持って移動してる数年間がありましたからね。やっぱりマジ歌というところがあるから、言われても変なものもつくれないわけですよ。そのつもりでオファーしてくれているから、そこで変なものをつくっちゃうと、というプレッシャーがあって。それが辛かった時期があるはあるんですけど、でもありがたいですね。仕事が増えるというのは。

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