芸人は売れてからも「悩み」がある
佐久間:芸人さんはそこの悩みがたくさんあるみたいですね。だから割り切る人は割り切る人で。たとえばオードリーは、1週目は全部の番組でネタを求められるから、最初は新ネタをつくってたんですって。でも、そうすると新ネタで力尽きちゃって、その後の番組の本当の大事な平場のトークやコーナーの準備ができなくて、というのが何度もあって。それで先輩に相談したら、「全部の番組で同じネタやれ」と。そうすると、そのうち求められなくなるし、それを使うディレクターはちゃんとしてないディレクターだからと。
一同:(笑)
佐久間:見てるか見てないか、リトマス試験紙にもなると。結果、全部の番組で同じネタをやるようにして、その後の企画、番組が求めているほうに力を入れるようにしたらうまく回りはじめたと言っていて。売れはじめの芸人の悩みはたくさんあるんですよね。
角田:いろいろあるんでしょうね。やっぱり。
佐久間:去年だったら、ブルゾンちえみさんが1回急にドラマ挟んだじゃないですか。あの3カ月があったことで、「35億」を数多ある番組でやらされ続けるという地獄を味わなくて済んだと。
角田:はいはい、なるほどね。だって、それなかったら、ずっと求められて。
佐久間:やらざるをえないから、最終的にまだやってんのかよ、となる危険性が。ブルゾンは「おもしろ荘」が1月で、4月のドラマをやってるから。2、3か月で「35億をやってくれないな、出てくれない。あ、ドラマか」と。それから24時間テレビだから、飽きられないままいっていて、いつの間にかタレントさんみたいにポジション取りできてるんですよね。
角田:それ戦略なんだ、全部!
佐久間:東京03のように実力をつけて、つけて、知名度がやっと追いついて売れるタイプの芸人さんは使い減りしないから、ここから下がることはないけど、芸人さんはいろいろな売れ方があるなかで、オードリーも悩みがあったし、ブルゾンは上手に。
澤本:うまくやったと。
佐久間:だから、今大変なのは、ひょっこりはんじゃないですか。彼はちゃんとひょっこりし続けてるから(笑)。ストロングスタイルで続けていくスタイル。でも、これって疲れちゃうから、どうなるのか。
角田:そうですよね、ドラマ挟まないと(笑)。我々は今、ライブのツアーで回らせてもらってるんですよ。全国を回ってるので、その期間はなかなかそれだけになっちゃって他のお仕事もアレなんですけど。おかげさまで今年は2万人を。
佐久間:異常ですよ。劇団☆新感線ですよ。マジで本当に。2万人も動員するトリオ見たことないから。
角田:そうなんですよ。そろそろ、そこを佐久間さんが言ってくれるかなと思ったけど、言ってくれないから自分で言っちゃいますけど、2万人動員なんです。
佐久間:そうだ、そこは俺が毎回言わなきゃいけないところだ。
澤本:決まってるんだ(笑)。
角田:人から言われたほうがいいやつだから、本来は。
佐久間:決まってないんですけどね。角ちゃんは褒められることに本当に飢えてるんですよ。
一同:(笑)
佐久間:芸人すげーなと思うのは、バカリズム、東京03、劇団ひとり、早見あかりちゃんでシチュエーションコメディ『ウレロ☆未確認少女』というシリーズをやらせてもらってたんですけど、それは客前一発本番だったんですね。
角田:そうなんですよ。
佐久間:早見あかりなんて最初にはじめたときは16歳です。普通は19時ぐらいから一発本番やるから、みんな10時ぐらいに来て、8回ぐらいリハーサルやって、一発本番。でも早見あかりは学校があるから、15時に来るんですよ。
角田:そうそう、夕方に合流してね。
佐久間:で、3回しかリハやらないのに、早見あかりが舞台上でセリフを飛ばしたこと1回もないんですよ。ないのに、東京03の豊本さんは。
角田:言わないで(笑)。