芸人は売れてからも、さまざまな「悩み」がある(ゲスト:佐久間宣行、角田晃広)【前編】

東京03豊本さんはよくセリフを飛ばして…?

佐久間:まるまる全部セリフが出てこなかったことがあって。

角田:そうなんですよ~。飛ぶっていうのはあるじゃないですか。出てこない、何とか繋いで思い出させようと。

佐久間:芸人だったらアドリブで繋いだりするじゃないですか。

角田:豊本の悪いところはですね、あの方はピタッと止まるんですよ(笑)。「ふふっ」てうっすら笑って、何も動かないんです。「もう知りません」って顔するんですよね。一発本番のお客さんいるのにですよ。だからまわりが焦るんですよ。

佐久間:1回目、初めて飛んだセリフはファーストシーズンの10話ぐらいで、豊本さんが裏切っていたことがわかって、飯塚さんが「お前の本当の名前は何なんだ?」と言うシーン。返しはコードネームだから別に何でもいいんですよ。

澤本:はいはい。

佐久間:リハでは「ミネルバだ」って売ってドカンとウケたから、ミネルバで良かったんですよ。それが豊本さんは思い浮かばなくなっちゃって。でも何でもいいじゃないですか。そこで何も浮かばなくて半笑いでいなくなるという。

一同:(笑)

佐久間:コードネームが出てこないまま終わって、ストーリーが破綻するというのが飛んだ1回目です。

角田:反省会があって、「あれはひどい」ってみんなに言われてましたよ(笑)。佐久間さんは、豊本さんは大事な長めのセリフや決めのセリフがあるときは舌をペロッと出すことがわかって…。

佐久間:芸人としてあるまじきというか。ボクサーだったらテレフォンパンチみたいな。大事なセリフだぞっていう前に舌を出して、ペロッとやるんですよ(笑)。それを俺が指摘したら、大事な長台詞の前に「ペロを出しちゃいけない」、「ペロを出しちゃいけない」と意識しすぎて、セリフが全く出てこないという(笑)。で、バカリズムが、「お前、何やってたんだよ」と。スパイみたいな役で、「謎は全て解けた」というところだったんです。でも、全て解けたはずなのに、一向にしゃべり出さない。

一同:(笑)

角田:「あれ? 解けたんだよね?」って。

佐久間:「お前何だ、もったいぶんじゃない」って。バカリズムと飯塚さんが間挟んで。

角田:そう、まわりが繋ぐんでね。

佐久間:繋ぎはじめたら豊本ちゃんが、「何だっけな」って(笑)。繋ぐとしても「何だっけな」は言っちゃいけないんですよ。だって、謎が解けてるんだから。バカリズムは絶対そういうの許さないですからね。

角田:鬼ですから、あの人。

佐久間:ショーマストゴーオンの人だから、あくまで続けるんですよ。しかも役柄にのっとったちゃんとしたボケを。そしたら豊本さん途中で心が折れてきちゃって、「うーん、思い出せないな」って。

一同:(笑)

佐久間:その後に「もう1回やらせてくれ」って、一番言っちゃいけないセリフを。地獄みたいなね。芸人さんはあまりないんですよ。ちょっと待ってくださいというの。

角田:あまりないですね。

澤本:面白い。というわけで、今週はそろそろお別れの時間が来ておりますが、来週もよろしくお願いします。

<END>

構成・文:廣田喜昭

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