三井農林は、食のビッグデータをどう自社のマーケティング活動に生かそうと考えているのか、その狙いを聞いた。
食の一次データ活用で飲食トレンドを創出・発信
「これまで触ることのできなかったデータなので、今からワクワクしています」。そう話すのは三井農林ブランドマーケティングチームの阿部氏。同社は「モニター企業募集中!ぐるなびが提供するビッグデータとは」で告知した「ぐるなびデータライブラリ」のモニタープロジェクトの応募企業のひとつ。厳正なる審査を経て今回、三井農林が「ぐるなびデータライブラリ」を無料で活用し、商品開発など新しいマーケティングの取り組みを体験してもらうことになった。
「ぐるなびデータライブラリ」は総掲載店舗数が約50万店、月間ユーザー数が6500万人を誇る飲食店情報サイト「ぐるなび」に蓄積されるビッグデータを活用できるサービス。
これまで世に流通していなかった、食に関わる一次データであり、なおかつ網羅性とリアルタイム性を兼ね備えた点が、各企業の外食のトレンド把握・マーケティング活動に活用されてきた。ぐるなびでは外食産業だけでなく、中食・内食に関わるメーカーのマーケティング活動にも生かしてもらおうと、今回のモニタープロジェクトを企画している。
三井農林は91年の歴史を誇る「日東紅茶」ブランドを始めとする家庭用の他、飲食店などを対象とする業務用、飲料メーカーなどを対象にした原料調達から製造に至るまでの委託事業など、飲料領域で多様な展開をしている。原料調達力や企画から販売まで全てを担える体制が強みではあるが、そのビジネス構造上、受け身になってしまうところがあり、自らトレンドを発信するような提案ができていないことに課題を抱いていた。
チームメンバーの加藤氏は「『ぐるなびデータライブラリ』を活用することで、トレンドをいち早く把握し、飲料メーカーやさらに他業界も巻き込んだ食生活トレンドの創出・発信をしていきたいと考えています」とモニター応募の背景を説明する。
業務用、家庭用双方を手掛ける三井農林だけに、トレンドを仕掛ける起点のつくりかた、伝播の流れにもいくつもの仮説が出てきそうだ。
一方のぐるなび プロモーション部門 統括次長の高橋俊也氏は「ぐるなびは情報問屋であり、私たちがモノをつくったり、販売することはできません。日々、情報を通じて、日本の食を活性化し、またその魅力を国内外に伝えていくことを目指してきましたが原料調達、また製造における圧倒的な技術力を持つ三井農林さんとのコラボレーションは、互いの強みを発揮しあえる関係がつくれると思います」と期待を寄せた。
BtoCだけでなく、飲料メーカー、流通・小売り、外食チェーンなど多岐にわたるBtoB事業を展開する三井農林だけに、トレンド発信の社会に対するインパクトは大きい。2社のコラボから、新しい食トレンドが生まれてきそうだ。
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