顧客接点、組織論、人材教育など幅広く意見交換をした。
“思い出イノベーション”で顧客との価値共創目指す
第1部ではアウディ ジャパンの井上大輔氏が登壇。改めて組織においてマーケティングをどのように捉えていくべきかについて講演を行った。
井上氏は「マーケティングを、会社の中の1ファンクションと考えるには無理がある。マーケティングはお客さま視点で価値をデザインし、それをお客さまに届けていくというひとつの思想のようなもの。そのため会社機能のあらゆるところに、マーケティングは偏在している」と説明した。
また、「マーケティングが組織の中に遍在している以上、他の部門とどうインテグレーションをしていくのか、うまく設計していくためには、まずはSOW(Scope of Works:仕事の範囲)を整理することが肝要」と述べた。
第2部では、りらいあコミュニケーションズの遊亀源太郎氏が、同社の事業について解説。遊亀氏は「30年の実績があるコールセンターの会社『もしもしホットライン』から、3年前に今の社名に変更した。現在の事業領域は①デジタルマーケティング、②コンタクトセンター、③フィールドサービス、④バックオフィス、の主に4領域で、リアルとデジタル双方のサポートが可能」と述べた。
第3部では井上氏に加え、ロクシタンジャポンの吉屋智章氏、りらいあコミュニケーションズの中込純社長が登壇し、「消費者との価値共創」をテーマに議論が交わされた。
吉屋氏からはネガティブな顧客体験でも現場のアイデアや機転でポジティブな体験に転換した海外の事例が報告された。「生産上の遅れが発生し、商品の発送が遅れてしまう事態が発生したことがある。その時に我々はサンプルを付けたDMも同送した結果、逆にお客さまからポジティブな反応を得ることができた」と語った。
井上氏はこのケースを紐解き、企業とお客さまの間に、良い“思い出”がつくられたことがブランドに対するロイヤリティ向上につながり、これこそ共創と呼べるのでは、と指摘。
「共創とはつまり『思い出イノベーション』。エクスペリエンス、体験は思い出。思い出をどのようにつくっていくのかが、次のイノベーションなのでは」と新たな視座を示した。
最後に中込氏は「価値共創は、やはりお客さまと一緒になっての思い出づくりだと思う。今、デジタルマーケティング、デジタルツールというのは、それをサポートするために、広範囲に用いられるべき必要条件だが十分条件ではない。十分条件をつくろうと思うと、やはり思い出をつくり込んでいく。それはデジタルではできない。その思いをお客さまと一緒につくり込んでいくというところに、次の世代のマーケティングのポイントがあるのでは」と述べ、セミナーを締めくくった。
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