心も身体も躍らせてほしい、欲張りな私たちが求める次世代ワークアウト

より「ソフト」な部分で差別化されていくフィットネスの世界

実際、それに呼応するようにしてジムのバリエーションは多様化していて、「24時間空いている」「器具が充実している」などといったものよりも、もっと高次元な差別化が図られている。

例えば、私の周りおよび先輩女子たちがこぞって行っているのが「ビーモン」だ。これはボクシングフィットネススタジオ「b-monster」の略で、音楽を流しながら、ボクササイズを取り入れた動きをすることで、汗を流す。通っている彼女たちの感想を見ていると、「ストレス発散になった!」「楽しい」という言葉が目立つ。

一方で、2016年から急に言われだした「マインドフルネス」という言葉の流行もあってか、「回復」に特化したジムの話もよく聞くようになった。千駄ヶ谷の「ZERO GYM」は瞑想も取り入れた「疲労回復」に力を入れたジムで、身体を整えて仕事のパフォーマンスを高めることが全面にPRされている。

ジムといえば、「痩せる」「身体を引き締める」といったイメージがあるが、現代の大人たちは、そんな欲望だけでは物足りなくなってしまった。というか、それだけの欲望では続かないことを知ってしまったのだ。身体を動かしたい欲望は常態化していて、「友だちがいなくてもできる、体を動かす楽しいことないかな」という気持ちを胸に、情報の海をさまよっている。

次ページ 「「身体を楽しく動かしたい」という、現代のミリオンセラーな欲望」へ続く

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りょかち
りょかち

1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。SNSに自撮りをアップし続ける「自撮り女子」として注目を浴びる。現在では、自撮りのみならず、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

りょかち

1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。SNSに自撮りをアップし続ける「自撮り女子」として注目を浴びる。現在では、自撮りのみならず、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

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