若年層との接点を創出しリアルにこだわる異色のエージェンシー — QT by quark tokyo

多くのブランドが課題を感じる若年層へのアプローチ。QT byでは、10代と直接の接点を持ち、独自のアプローチ法を確立している。

QT by quark tokyoスタッフ

若年層と直接つながる事業形態

AOI Pro. グループで、コンテンツマーケティング支援を行うQuark tokyo。その中に結成された事業部「QT by quark tokyo」は、若年層をターゲットにしたコミュニケーションの企画制作を手がけている。独立したオフィスを原宿に構え、エージェンシー事業と同時に、若年女性向けの動画メディア「Q16 GiRL」を運営する。

QT by quark tokyoの代表でクリエイティブディレクターのオノダタカキさんは、事業形態について次のように話す。「デジタルメディアの激増により、若年層のインサイトも劇的に複雑化してきています。調査を実施して、すぐに企画に生かす。そのスピード感とリアルな声を直接聞くことが必要だと感じ、常に接点を持つ狙いで、自社メディアを始めました。インタビューやスナップ撮影で実際に街の中にいる若者と直接コミュニケーションを取ることで、最新で生の声を自らキャッチアップしています」。

QT by quark tokyoはエースコック「スーパーカップ」やロッテ「クランキー」など大手クライアントを担当し、今年だけでテレビCMの企画制作を5本以上手がけている。スーパーカップの広告キャンペーンでは、アイドル、YouTuber、TikTokerなど各分野で若年層のファンを多く抱える23人を起用。制作したコンテンツは、テレビCMを2タイプ、Webムービーを約170本、スチールは8000カット以上にも及んだ。

若年層へのアプローチにおいては、コンテンツの質と量に加え、「時間軸」が重要になるとオノダさん。この案件では、タレントの笑福亭鶴瓶さんやお笑いコンビTKOの木下隆行さんも起用したテレビCMで情報接触の間口を広げつつ、インターネットやSNSを通じて、さまざまな興味関心をバックボーンに持つインフルエンサーで個別のアプローチも用意した。

エースコック「スーパーカップ」オールコミュニケーションプランニング

ロッテ クランキー「怪盗クランキーVS 名探偵ねる」篇

ロッテ EAT MINT「竹内涼真」篇コミュニケーションプロデュース

サッポロビール「WHITE BELG 2018」ブランディング

Netflix「ネトフリアニメ平成最後の夏」クリエイティブディレクション

ロッテ Fit’s「2年F組 Fit’s組」オールコミュニケーションプランニング

M!LK「SPRING TOUR」ステージ演出
自社メディア「Q16 GiRL」

「当たり前を疑う」がコンセプト

現在13人が所属し、全員がクライアントワークをしながら、メディア運営に関わっている。AOI Pro. 史上最年少のプロデューサー、元アパレルブランド企画スタッフや美容師と兼業のプロダクションマネージャー、監視カメラの顔認証システムを作っていたデータアナリスト、元YouTuberの新入社員、と個性的な経歴のメンバーが揃う。一方、子育てをしながら働く女性や在宅勤務者もいるユニークな組織体制だ。

その背景には、「Quark tokyo」の頭文字「QT」になぞらえた事業部のコンセプトがある。

「『Q』は『Question』。常に問題提起をして、常識や固定観念を疑っていたいんです。僕は新卒でインターネット広告会社のオプトに入りましたが、デジタルのクリエイターにはテレビCMの企画はできない。30代後半にならないとCDになれない。そんな固定観念に縛られるのはもったいない。『T』は『Tale(物語)』で、マスでのアプローチは、企業が発信する情報が断片的かつ画一的でしたが、さまざまなメディアで情報に触れる現在は、継続的な情報発信が重要です。そこで必要になるのが物語性だと考えています」(オノダさん)。

エージェンシー事業とメディア事業のかけ合わせでは、新しい可能性も見え始めている。「スーパーカップのプレゼンのために、若者はいつ何を基準にカップラーメンを選び、食べているのかをQ16 GiRLの取材時に原宿や渋谷の街頭でインタビューしました。それをクライアントに見せたところ、非常にリアリティを感じていただき、好評だったんです」とオノダさん。

QT by quark tokyoは、メディア運営のほかにアパレルやインフルエンサーのマネジメント、オリジナルアプリの開発への挑戦も視野に入れている。

「現状で、一般の若者に知られているクリエイティブの会社はない。でも、若者向けのBtoCサービスがあれば直接つながれる。いま当たり前になっていることを、僕らが取り組むことで変えていくことに価値を感じています」とオノダさん。新たな分野に臨むために今後メンバーも増やす予定だ。「“当たり前を疑う”姿勢に共感してくれる人と、どんどん常識を変えていきたい。とはいえ、もう少しノーマルな人もいてほしいですね(笑)」。



お問い合わせ
Quark tokyo
〒141-0031 東京都品川区西五反田7-7-7 SGスクエア7F
http://quark.tokyo
saiyo@quark.tokyo

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