いい編集ってなんだ?を議論して発信する場にしたい
福岡:僕はCGのスーパーバイザーをしていますが、CG業界の課題だと思うのは、突出した実力があって自分で会社を興しているような人たちが組めばきっとすごいことができるのに、各々忙しくてスケジュールが取れない。それがもったいなくて。CONNECTIONに誘われた時、timoに「点を増やしたい」と言われました。それは突出した人同士が一緒に仕事をして点を面にするということだと思って。この課題を解消できる可能性を感じています。
浅見:エディターは日本だと技術職で裏方のイメージが強いけれど、イギリスではエディターが自らパーティに参加してどんどん自分を売り込んでいました。日本では監督やカメラマンが誰かは話題になっても、エディターは話題にならない。理想はクライアントがエディターを指名する状況で、そのきっかけをここで作れればと思います。
本田:エディターの個性をもっとはっきりさせればいいんだよね。この人は何が得意だとか。自分はこういう仕事をしたいとか、自らも発信しないと。
餌取:私は、「今回の映像は編集がよかったね」と思われるような仕事がしたいと思っています。素材を受け取ったら、そこから色々な可能性を広げていって、時にはオーダー通りではない、自分ならではの提案もしたい。それが採用してもらえたら、“自分の編集”をしたなって思えるから。
浅見:苦労してもその方がいいということだよね。これだけエディターが集まっているのだから、全員が編集して一番よかったものを採用するのはどう?
福岡:編集大会ということ?
本田:編集の差をはっきりさせるということだよね。僕ら自身がそこを言語化できていない。あの人の編集の何がいいのか、いい編集とは何かをはっきりさせていくと、エディターがしていることの説明や、魅力を理解してもらうことにつながるよね。
格内:僕らはずっとPCと向かい合ってきたから、言語化の訓練がされていない。でも、一般の人にわかりやすく伝えて僕らの存在を知ってもらうことは大事だと思う。
本田:過程を開示するのも面白いと思う。オフライン編集では何バージョンもタイプを作るのだけど、採用されるのは1つ。ただ、エディターはロジックで編集しているから、全部違うよさとしてプレゼンできる。それをWebで見てもらったり、CONNECTIONの1階のギャラリーで流してもいいかもしれない。見た人に投票してもらったり。
福岡:エディターがそれぞれ持っているロジックを、もったいぶらずに出し合って、検証して、ここから新しいロジックを作っていけたらいいですよね。