アウトプットの形式には捉われない
ライデンは、デジタル出自のメンバーが立ち上げた体験創造企業だ。クライアントとビジネス目標を共有しながら、さまざまな提言とサポートを行うクリエイティブプロデューサー、最適なアートワークを生み出すアートディレクター、そしてWebエンジニアが所属し、企業のデジタルコミュニケーションを一気通貫でサポートしている。
設立時の思いを同社 代表取締役でプロデューサーの井上雄一朗さんは次のように話す。
「Flashを使ったプロモーションサイトが全盛期だった頃に、プロダクションから独立してライデンを立ち上げました。決まったアウトプットの制作だけではなく、より広くコミュニケーションによる課題解決に取り組みたいと考えていたんです。企業がデジタル施策を重視するようになってそれなりに時間が経過しましたが、テクノロジーに長けたパートナー企業が企画段階から携わることで、効率的に制作を進め、アウトプットの質も向上できると思います」。
現在はWebサイトの制作をはじめ、六本木ヒルズで行われたイルミネーションのLEDライトの点滅を制御するシステムや、きゃりーぱみゅぱみゅのミュージックビデオで活用された複数のタブレット画面が連動するシステムの構築など、必要に応じてブランド体験のためのインスタレーションなども開発する。
同社 テクニカルディレクターの松本英夫さんは、「新しいデバイスやメディアが登場する中で、広告をどこに載せるのか。そもそも既存の枠に収まるのか、これまでにない表現が必要なのか。常に新しい可能性を探求して、Webの技術をアップデートしています」と話す。
アウトプットの形式にとらわれず企画制作を手がける同社では、施策が具体的になる前から相談を受けるケースが徐々に増えているという。
デジタルの知見と実現力が強み
一方で、相談ベースで始まる場合は、進行において気をつけるべきことがあると井上さんは言う。
「デジタル領域はクライアントが基本的な知識や実現できることを知らないことも多いです。だからこそ知見を持つ僕らに相談をいただくわけなので、共通言語がない状態からスタートすることを念頭に置いています。どんな技術があって、何ができるのか。それを伝えた上で、ビジネス目標に対してのアプローチを一緒に考えています」。
施策が決まった後の依頼でも、課題を見直し、よりよいアプローチがあれば自主プレゼンをすることもある。
NTTドコモの電子マネー「iD」では、「ブランドイメージが向上するWebサイト」とオリエンを受け、まずはUX/UIの考え方やクライアントがサイトに求める条件の共有から取り組んだ。
「クライアントとさまざまなサイトを一緒に見ながら、そのサイトの目的やデザインの役割を読み解くことから始めました。どんな完成形をイメージしているのか、デザインや演出はどうしたいのか、同じゴールを見ている実感が持てるまで話し合います」(井上さん)。
同社が生み出すWebサイトの表現には、Flash時代から培ってきたノウハウが生きている。
同社 アートディレクターの岡野真也さんは、「当時はFlashでどれだけリッチで気持ちいいアニメーション演出をするかが試されていました。それは現在のWeb環境でも生かせていて、例えばサイトを操作していて次の場面に移る時にエフェクトが少し入るだけでも体験は全然違う。いいデザインは、クライアントのビジネスに貢献することはもちろんですが、相手に感動を与えることも必須条件だと考えています。そのためにクライアントの持つイメージを理解して、感動を生み出すポイントを細部までつき詰めています」と言う。
ビジネスプロデュースとデザインに加え、テクノロジーを強みに持つ同社は、企画からワンストップで携わることでより力を発揮する。
「テクノロジーを起点にする組織は、要望に対してできるかできないかで判断することが多い気がします。でも僕らは自分たちにできないことがあっても、何かしら役立てる部分があることを視野に入れて、クライアントをサポートする組織でありたいと思っています。そのための対話を大切にしていきたい。そうしたライデンのマインドをHIP-HOPにしてWebサイトに上げているので、ぜひ聴いてみてください(笑)」と井上さんは語った。
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ライデン
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