会見で答えにくい質問にはキーメッセージを軸に回答

事前にキーメッセージを用意

こういった「答えにくい質問」「予想外の質問」には、事前に会見のテーマに合わせた「キーメッセージ」を準備することによって、正しく対処できます。事例のケースでは、「弊社は、食の安全を何より大切なものと考えています」といった内容が考えられます。

このキーメッセージを使うと、先ほどの回答は「ただちに生産ラインを止めて検査するべきでした。判断が甘かったのです。弊社では、食の安全を何より大切なものと考えて事業を展開しています。原点を忘れてはいけないと、反省しています」となります。

また、YES/NOで答えられる質問であれば、まず①そうです②違います③どちらとも言えません、のどれかで立場を示します。時には、ストレートに「違います」と言わずに「私たちは必ずしもそうは考えていません」と表現を柔らかくする工夫も必要です。

そして、「なぜなら」「さらに付け加えると」「そのために」などのつなぎ文句(ブリッジ)を加え、その後にキーメッセージを続けます。この対処法を身につければ、メディア対応はもう怖くありません。

山口明雄(やまぐち・あきお)
アクセスイースト 代表取締役

東京外国語大学を卒業後、NHKに入局。日本マクドネル・ダグラスで広報・宣伝マネージャーを務めたのを皮切りに、ヒル・アンド・ノウルトン・ジャパンで日本支社長、オズマピーアールで取締役副社長を務める。現在はアクセスイーストで国内外の企業に広報サービスを提供している。2018年2月、『危機管理&メディア対応 新・ハンドブック』(宣伝会議刊)発売。

 

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