「デザイン思考」をブランドへの共感の文脈で読みとく — 『宣伝会議』12月号

11月1日に発売された月刊『宣伝会議』12月号の巻頭特集では、世界的に注目される「デザイン思考」をマーケティング領域で注目される「共感」や「体験デザイン」の文脈で読み解きつつ、ブランド戦略に取り入れる方法論を、国内の先進企業の取り組みを交えながら紐解いていきます。

ここでは、記事の一部を紹介します。

国を挙げて提言“「デザイン経営」宣言”とは

「デザイン経営」はなぜ今、産業界に必要とされているのでしょうか。特許庁と経済産業省が主導となって行う「産業競争力とデザインを考える研究会」の取り組みを基に、「デザイン経営」の役割に迫ります。

2017年7月の立ち上げから議論を続けてきた「産業競争力とデザインを考える研究会」は、今年5月23日に「『デザイン経営』宣言」を発表した。なぜ今、国をあげて「デザイン経営」を広めようとしているのだろうか。

その理由として、新興国の技術発展による価格競争が勃発しているという背景がある。これまで日本は高機能・高品質な製品を製造してきたことで経済大国となったが、機能や品質が優れているだけでは競争に勝つことが難しい時代となっているのだ。

「日本が今、変わらないと世界から立ち遅れてしまう恐れがありました。欧米では、デザインの活用によって差別化を図るという動きが見られます。日本が変わり、産業競争力を高めるためにはデザインの力が必要なのではないかと研究会が立ち上がりました」と話すのは、特許庁デザイン経営プロジェクトチームの外山雅暁氏だ。

「『デザイン経営』宣言」では、「デザイン経営」を“デザインを企業価値向上のための重要な経営資源として活用する経営である”と定義している。そして「デザイン経営」を実践するための必要条件が「①経営チームにデザイン責任者がいること」「②事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること」の2点だ。

「現在はユーザーのことを360度理解していないと、消費者のニーズに応えることができません。そのため、個々人の課題や潜在的なニーズに応えるときに、デザイナーの力が必要だと思います。これまではアウトプットの段階でデザイナーの力を借りる企業が多かったのはないかと思うのですが、アイデアを具体的に出す段階でデザイナーと協力することで、より良いアウトプットができると思います。そのために、なるべく事業やサービスを構築する経営者の側にデザイナーを置き、一緒に描いた事業を実現していただきたいのです」と特許庁 デザイン経営プロジェクトチーム長の木本直美氏は話す。


さらに本誌では、デザインがブランド力の向上以外にも果たせる役割のほか、実際に「デザイン経営」を実践するために必要な環境づくりや人材育成についても言及しています。

続きは、『宣伝会議』12月号をご覧ください。

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