「ゴッドタン」は出演者が企画を知らされない?
ひとり:全く違いますね。「ゴッドタン」で培ったものは他で役に立たない。
一同:(笑)
ひとり:「ゴッドタン」は「ゴッドタン」でしかないんですよ。だから本当に特別な場所ではありますけどね。逆に「ゴッドタン」のスタッフと他の現場で一緒になるときの照れくささが。いつものノリではできないし。
中村:俺たちは「ゴッドタン」という共有するものがあるけど、ここではそれは出さないという。
ひとり:そこだけちょっとガラパゴスになっちゃったんですよね。あそこだけ進化しちゃってる感じがしますね。
中村:あの空気感をつくり出すためには出演者との打ち合わせが大事なんですか?
佐久間:これが12年やってるんですけど、企画によってはたまに相談することはあるんですけど、出演者は基本的にスタジオに来るまで企画を知らなかったりするんですよ。だから長く続いているんだと思うんですよね。
ひとり:あまり言ったことないかもしれないですね。僕らがこうしたい、ああしたいって。
佐久間:おぎやはぎと劇団ひとりは「これはできない」って言わないので、やってみてうまくいかなくて長くかかることはあるんですけど、とりあえずやってくれるんですよ。12年続く企画の多様性など、そういうものが生まれるのはこのMCだからだと思います。
ひとり:まぁ絶対的信頼感があるので、乗っかっておけば面白くしてくれるんでしょと。たまに大コケもしますけど(笑)、伸るか反るかという感じでずっとやってきたので。
中村:あと「ゴッドタン」を見ていて思うのは、どういう風に台本を書いているのかなと。
佐久間:バラエティ番組の台本としては、しっかり進行台本があるものと、オチだけを決めている台本がありますが、「ゴッドタン」はオチだけを決めているほうが多くて。そのオチも困ったらこのオチに行っていいですよ、ぐらいのゴールラインで、そうするとここで収録は終わりますと。でも、全然いかないんですよ。
一同:(笑)
中村:たとえばキングコング西野とひとりさんがケンカするシリーズは?
ひとり:あれはね、台本ペラペラだよ(笑)。特に今年の頭にやったやつはペラペラ。その直前にマジ歌でみんなパワー使ったから。
佐久間:ペライチ。2週間後に何とか対決って書いてあるボードしかないから(笑)。
ひとり:台本をしっかり書いてくれるときもあるんですけど、何かわからないけど、この通りにやるとダサいという雰囲気をスタッフが漂わせてるんですよ。でも、佐久間さんに限らず、レギュラーもゲストもスタッフに対する信頼感がかなりあるから、あまり文句は聞いたことはないですね。だいたいバラエティ番組に出たらみんな文句言うんですよ。芸人なんて楽屋に帰って、あれないよねって。でも、まぁ聞かないですね。こんなに芸人から信頼されているバラエティ番組は珍しいですよ。
澤本:次々と出てくるゲストの方、たとえば僕が最近大好きな芸人のEXITはどこで見つけるんですか?
佐久間:EXITはたくさん若手に会って、この子達はもしかしたらと。今まで「ゴッドタン」に出ていたのは性格が悪い、癖が強いというのでハマってきたけど、違うタイプの「素直」というのが気持ちいいから1回ぶつけてみようという話になってぶつけたら、川島さん(ひとり)や矢作さんにずっぱまりして。