「売れる」と思って売れなかった芸人は1人もいない
ひとり:僕らは出役で、芸人と絡んで5分、10分すると、「こいつ絶対売れる」って肌でわかっちゃうんですよ。裏方の人も「あ、こいつ売れるな」ってすぐわかるものですか?
佐久間:三四郎と絡んで終わりぐらいに、あいつら売れるなってね。
ひとり:すぐわかるんですよ。それだけは自信があるんですよね。絡んでいてこいつ売れるなと思って売れなかった奴いないですもんね。
中村:ネタじゃなくてレスポンスなんですか?
ひとり:うーん・・・何かこうビビッと来るというか。
澤本:僕らはひとりさんがそういう方々と絡んでいて、全体が楽しいから、「あ、この人達は楽しいんだ」と、ひとりさんを経て来ているじゃないですか。ネタをすぐに見ることってないから、この人とこうやって絡んで楽しく場をできるっていうことはいいんじゃないかと。
ひとり:それはお笑いに限らずですか? たとえば役者さんも?
澤本:役者さんはこの人来そうだなというのは100%まではわからないけど、やっぱりありますね。でも、何が理由っていうのはなくて。
ひとり:そうなんですよ。それが不思議なんですよね。爆発的に面白い、かわいいだったらわかるんですけど、そうじゃないけど、この人は来るなと。言葉では説明できない感覚ってありますよね。
中村:澤本さんはソフトバンクやトヨタなど大きいCMなので、やらしい話、それで急にスターダムにのし上がっちゃうような子がいるので、澤本さんが発掘して急にマスの露出が増えた子もいるでしょ?
澤本:いや、発掘というけど、僕はゼロから見つけることは絶対にできなくて。それこそテレビを見ていてEXIT面白いな、眉村ちあき面白いなと。つまり第一次発見者の次の食物連鎖として構えているんです。それが広告の中だと少し人より早いかなというぐらいなので、発見という感じではないと思いますよ。
中村:眉村ちあきはCMで使えますか?
澤本:使いたいですね。この前、LINEの舛田淳さんに「眉村ちあきで60秒歌うCMをつくれないか」と送ったら返事がなかったけど(笑)。
佐久間:でも、舛田さんは「ゴッドタン」のオンエアを見た後、「やべーな、眉村ちあき」ってつぶやいてましたよ。
ひとり:やっぱり眉村さんはそういうパワーがあるんですね。
澤本:あの人の歌を聞いていると、歌詞の内容関係なく泣いちゃうじゃないですか。あれ何でだろうなって。
ひとり:この前も「ゴッドタン」の収録のとき、おじさんみんな泣きそうになってましたからね。
澤本:眉村さんは僕から見ていると天才に見えるんですけど、ひとりさんが現場で見ていてもすごいという感じがありますか?
ひとり:天才だし、唯一無二という感じだけど、全然天才ぶらないじゃないですか。そこがいいんですよね。特に僕はエセ天才に厳しいので(笑)。天才ぶってる奴の化けの皮をすぐに剥がそうとするので。眉村さんはカメラが止まっているときも含めて本当に自然体だし、好感が持てますね。
澤本:「ゴッドタン」の「スナック眉村ちあき」のコーナーでは、彼女はずっと黙って人の話を聞いているけど、現場でもそうなんですか?
佐久間:眉村さんが不思議なところは振られるまで割って入らないんですよね。自由にしゃべっていいよと言ってるんですけど、たぶんあのときにインプットしてるんだと思うんです。即興で歌うときはどれが主題になるのか考えてるのかなって。
ひとり:本当は僕やおぎやはぎが振らないといけない。
一同:(笑)
ひとり:こっちの話に夢中になっちゃって。でも割って入ってくる眉村ちあきも嫌でしょ? それちょっと待ってよーと入ってくると、ん?ってなっちゃう。あのスタンスがまたいいんじゃないですかね。
澤本:それで急に歌うじゃないですか。すごい歌を歌うから、すごいなと。
佐久間:あれはカットしたわけじゃなくて、本当にああいう流れなんです。「歌って」と言ってから歌うまでの尺は、普通は編集でカットしたりするじゃないですか。でも実際にあのぐらいの尺でした。「歌って」と言って、えー、べべべってギター鳴らして、じゃんじゃん「わーたーし」って歌いはじめて。