欧州からトレンドを探る? 「Web Summit2018」現地レポート(森 直樹)

革命が起きている

次は、KPIソリューションズ 代表取締役CEOの石田氏にお話を伺いました。

筆者:何度目の参加ですか?

石田氏:2回目です。ワールドワイドな、新しい流れを掴みたいので、昨年から参加しています。米国系のカンファレンスとは少し発信内容が違いますから。

筆者:米系カンファレンスとは違いますか?

石田氏:違いますね。例えば、GDPRの影響がかなりあるように感じます。米国系のビックサービサーの影響が小さく、彼らは少し気を使っている感じがしました。
あとは、“Decentralized”をマーケティングや広告文脈で聞くとは思わなかった。FinTechの世界では使われている言葉ではありますが、「Web Summit」でこんなに聞くとは思わなかった。データの活用やデータの所在について、中央集権型から個人に帰属させようという、欧州勢の反撃といいますか、勢いを感じました。ワールドワイドで、そのような動きが加速するかもしれないですね。

筆者:新しいムーブメントが欧州から起きている?

石田氏:ブロックチェーンなどの技術によって、米国を代表するビックサービサーにとって脅威になるかもしれません。スタートアップが強くなる、まさに革命的なムードを感じている。このような動きを掴んでおく必要があるので、参加しています。参加してよかったです。

写真中央が、KPIソリューションズ 代表取締役CEOの石田徹郎氏。

米系カンファレンスとは一味違った!
初めて参加した「Web Summit」は刺激の多い体験となりました。筆者は公私共に、どちらかと言えば米国や中国の動向に敏感に反応しながら、国内広告主の皆様へトレンドをお届けしている、どちらかと言えばシリコンバレーカルチャー大好き人間なのですが、この4日間の「Web Summit」経験は、あらゆるデジタル領域に対して、欧州で巻き起こる新しい価値観について考えるキッカケとして良い経験でした。

そして、開催地のリスボンは街も食も人もとても魅力的なところでした。機会があれば来年もレポートしたいなぁと心から思うのでした。

レポート

森直樹
電通 CDC エクスペリエンスデザイン部長 クリエーティブディレクター

 

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