誰もが発信する時代には、広告のルールも変わる
ここに、餃子の心理学が働いています。
人は自分が見つけたものほど広めたくなる生き物なのです。
そしてチヤホヤされたいといつも思っている。
もし知人が、餃子の王将ってうまい店があってさ~!!
って薦めてきたら、え、知ってるけど…怖っ…となるはずです。
餃子の王将の横にあるボロい店の親父が作る
まさかの美味さの餃子を薦められた方が納得感があります。
(ちなみに同期曰く木更津の王将はすごいらしいです。)
古くは、NIKEによる
ゴミ箱をバスケットゴールにした施策などがありますが、
当時は限られた人がブログで発信するくらい。
今はすべての人がスマホ=カメラ&メディアを持っています。
面白いものがあったら撮る、
広まるかどうかのチヤホヤ度を瞬時に計算してツイートする、
一億総VOW時代。
これまでのルールで考えると、
広告は目立つ場所にあった方がいい。
ですが、目立つ場所は人通りが多く撮影に適しておりませんし、
自分が広めなくてもと思ってしまう。
誰もが発信する時代においては、
見つけられる広告という共犯関係が成り立ちます。
どこまで、自分が見つけた!感を出すことができるか。
というのもまたひとつの指標になってきています。
ユーザーが、広告を通してスターになれるかどうか。
ちなみに、突然話題になった人が次にするツイートは
自分の活動の宣伝を始めるアピールスタイルか、
淡々とツイートを続けるストロングスタイル
に分かれます。
そして、もう一つ大事なのが、リアリティです。
が、ここからまた長いので次の機会にさせていただきます。
追伸
立川談志は、落語は業の肯定だと言いました。
人間ってそういうもんだししょうがないよね~
の部分を笑い飛ばすものという意味です。
この連載では、そんな感じで
意識の低いところから話題を作っていくやり口を
ルノアールから発信していきます。
今日のルノアール:
横のおじさんが電話で「こんど俺たけのこの監督やるから!」
って話してて、何その仕事って思ってたら少年野球の話でした。
尾上永晃(電通 CDC プランナー)
東京理科大学大学院理工学部建築学科卒業。2009年電通入社。デジタルを核に、企業広告からまちづくりや日本酒のブランディングまで臨機応変なコミュニケーション設計をしている。最近の主な仕事は、大塚製薬「すすめ、カロリーナ」/日清食品「アクマのキムラー」「10分どん兵衛」/東急電鉄「池上線フリー乗車デー」/スクウェア・エニックス「ドラクエ落語」「トリバゴ」/集英社「こち亀40周年&終了キャンペーン」など。TCC新人賞やACCグランプリ、カンヌ、メディア芸術祭など受賞。毎日8時間睡眠を画策している。