21世紀のコミュニケーション設計は、個人の「共感」にどう寄り添えるか?

「共感」生み出すためには「体験」と「リアリティ」の設計が重要

これからの時代はデジタルが重要になることは疑う余地がありません。消費者との相互アクセスがいつでも容易になり、さらにはEコマースを通じた購買までもつなげてくれるからです。しかし、デジタルのみに依存したコミュニケーションでは、話題の拡散は可能でもなかなか「共感」を生み出すことはできません。

コーヒーマシンの購入理由や購入前後の行動を観察していて分かったことですが、そのプロセスには必ずと言っていいほどリアルとデジタルが共存しています。友人の家で体験したものを家に帰ってWebで調べて買った、記事を見て気になったので、調べた後で家電量販の店頭に来て実際に買った、など、網の目をはって両方の施策を打っておかなければ、どこかで離脱されてしまいます。

そういう意味では、デジタルはマス広告の補足、という考えは時代遅れで、ターゲット個人の認知⇒体験⇒購入をきちんと考えた、個人を囲む360度の施策が重要になってきます。

と、ここまでコミュニケーションを中心に話していますが、無論この前提にはしっかりとしたビジネスモデルの構築が重要になることは言うまでもありません。優位性のあるプロダクト、継続的にその後に消費を続けていただくサービスがあるからこそ、最後にそれを伝えるためのコミュニケーションが重要になってくるのです。

次ページ 「エージェンシーの提案を待つだけの時代ではなくなった」へ続く

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島川基(ネスレ日本 飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長)
島川基(ネスレ日本 飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長)

2002年ネスレ日本に入社。営業、営業企画の業務経験を経て、飲料事業本部にて「ネスカフェ」のマーケティング業務を担当。その後液体飲料ビジネス部 部長を務めた後、2016年より現職。「ネスカフェ レギュラーソリュブルコーヒー」、コーヒーマシンの「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」、コーヒーミックス等の基幹ビジネスを担当するとともに、「ネスカフェ」ブランド全体のマーケティング施策を立案実行している。

島川基(ネスレ日本 飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 部長)

2002年ネスレ日本に入社。営業、営業企画の業務経験を経て、飲料事業本部にて「ネスカフェ」のマーケティング業務を担当。その後液体飲料ビジネス部 部長を務めた後、2016年より現職。「ネスカフェ レギュラーソリュブルコーヒー」、コーヒーマシンの「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」、コーヒーミックス等の基幹ビジネスを担当するとともに、「ネスカフェ」ブランド全体のマーケティング施策を立案実行している。

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