座談会参加者
〇ジャパンゲートウェイ マーケティング 統括マネージャー 丹治 大地氏
〇ジャパンゲートウェイ マーケティング 山口 真氏
〇アラン・プロダクツ ヘアラボ事業部 マネージャー 慶野 紘平氏
〇アラン・プロダクツ ヘアラボ事業部 編集長 溝手 順子氏
ジャパンゲートウェイはこのほど、ヘアラボと協力してシャンプーの新シリーズ「レヴール ゼロ」のプロモーションを行った。
配合成分や原材料など、より詳細な情報がヘアケア市場の競争軸となっている昨今。ユーザーとのコミュニケーションの手法もこれまでとは大きく異なってきているという。
ユーザーとのより深い信頼関係をプロモーションに活用する今回の取り組みについて、ジャパンゲートウェイの丹治大地氏と山口真氏、アラン・プロダクツヘアラボ事業部の慶野紘平氏と同編集部の溝手順子氏が座談会を開催。その模様をレポートする。
ヘアケアユーザーの増加で
プロモーションに変化が起きている
特定の知識を深く掘り下げるバーティカルメディアが大いに読者を集めている。その隆盛を支えるのが、昔とは比較にならないほど豊富になったユーザーの知識量といえるだろう。
ヘアケア市場のユーザーもまた例外ではない。毛髪や地肌に関する正しい知識が広まるにつれ、ヘアケア商品選びを行う基準もよりハードルが上がっているのが現状だという。
アラン・プロダクツの「ヘアラボ」編集長、溝手順子氏はその傾向を次のように分析する。
「最近では髪の毛を肌に近い感覚で重要視する女性が増えてきました。ヘアラボの読者のうち半数は女性。ですから、日々使用するヘアケア製品に何が配合されているのかといった記事はあまり抵抗なく読んでいただけていますね。シャンプーやトリートメントは、結局は肌につけるものですから。」
ユーザーの変化にともなってヘアケア業界のプロモーションにも大きな動きがあるという。同社ヘアラボ事業部の慶野 紘平氏は言う。
「へアケア市場は機能や成分訴求など、競争軸が昔とはかなり変化してきています。少し前まではダメージヘア対策と低価格を訴求するのが市場のトレンドでした。それが今ではヘアケアの基本となる“スカルプケア”といった考え方や、配合成分に関する“ノンシリコン”、原材料の“オーガニック”を謳うものなどが次々に現れました。更に現在は、オーガニックやノンシリコンは当たり前といった状況で新たな訴求軸が続々誕生しております」
知識レベルが大幅に上がったユーザーにより深いメッセージを送るには、今までのような漠然としたイメージ戦略では厳しい、と慶野氏。
そこで重要になるのがヘアケアに興味があるユーザーを抱えるメディアでの、より明確な価値を伝えるコミュニケーションだと述べた。
新商品「レヴール ゼロ」がヘアラボと組んだ理由
今年の5月に発表された新商品「レヴール ゼロ」のプロモーションの場にヘアラボを選んだのがジャパンゲートウェイだ。今回はノンシリコンシャンプーという新市場を生み出した大ヒット商品「レヴール」の2度目の大幅なリニューアルとなる。
同社のマーケティング統括マネージャー 丹治大地氏は、これまでのシャンプー/トリートメントにおけるプロモーションの課題について次のように述べた。
「従来はまず、テレビCMを中心としたマス広告を打ち、その後店頭で販促活動を行うというのが王道の戦略でした。それが今回は、新商品の認知を獲得しつつ、配合成分についての踏み込んだ説明が不可欠だった。これは今までどおりのやり方ではダメなんじゃないか、と考えました。」
ほぼすべてのヘアトリートメント商品に配合されているという「カチオン界面活性剤」。「レヴール ゼロ」では今回、この成分を無配合にした「ノンカチオン」を実現して新市場を創造することにした。
「新しいカテゴリーとしての“ノンカチオン”を謳っていくのなら、まずはヘアに悩みを抱え強い興味を持っている“ヘアケア顕在層”の方々に情報を届けよう、ということになったんです。」
丹治氏が「ノンカチオン」を訴求する場としてヘアラボを選んだ理由は「ユーザーがヘアケア情報を的確に入手できるメディア」としての信頼感があったからだという。
同マーケティング部の山口 真氏は、ヘアラボ編集部に対する印象を次のように述べた。
「ヘアに関する知識をすごく豊富にお持ちでしたので、最初から勉強になることが多かったです。これがもし他の健康関連メディアさんでしたら、ヘアについてここまで踏み込んだ内容の記事は書けなかっただろうと思いますね。」
それに対して慶野氏は次のような自身の考えを述べる。
「メディア全体として見れば、ヘアケアの知識やヘルスケア全般を扱うメディアは沢山あります。ところが、中には成分の解説によりすぎてしまい、ユーザーが読みづらい記事になってしまっていたり、そもそものブランドページに記載してある内容とそこまで差がなかったりすることも多いんですよね。」
伝えるべき情報が難しい時ほどいかに読みやすい記事にするか。ヘアラボ編集部はそこに強いこだわりを持って取り組んでいると述べた。
また、訴求軸の多様化によってユーザーと深いコミュニケーションが取れる接点は年々失われている。そんな中、ヘアラボはそうしたユーザーと企業側とを結びつける「場」として選ばれる機会が増えているのだという。
新商品の認知獲得と配合成分の理解を同時に叶える
新発売の「レヴール ゼロ」の記事を書くにあたり、溝手編集長と慶野氏が打ち合わせを重ねたのが「ノンカチオン」というワードと新商品との距離感だという。
「世の中にノンカチオンが良いものだと認識された時に、真っ先にレヴール ゼロが消費者の選択肢に挙がるにはどうしたらいいだろう、と熟慮しました。」と慶野氏。
その結果、ノンカチオンについて様々な捉え方をしたいくつかの記事を発信することになった。
「ユーザーからしたら、シャンプーには既に様々な訴求軸があるのを感じているはず。その中でノンカチオンを魅力的に見せるため、あえてヘアケア商品の基礎に立ち返り、女性の日常的なヘアケア方法を紹介するなど、広告感を抑えた、ユーザーの悩みに寄り添う記事も制作いたしました。」
記事を読んだジャパンゲートウェイの丹治氏は、ノンカチオンだけに固執せず全体像をわかりやすく見せたことで、成分訴求と商品訴求のバランスがとてもうまく取れたと感じたという。
同社の山口氏も「すごく面白い記事を書いてくれるな、という印象を持ちました。個人的に重視しているのは読みやすい記事であること。読んでいて固くならない記事にするためにセリフ口調を取り入れて、行間にまで心配りの行き届いた内容でした。」との感想を述べた。
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