日本広告審査機構(JARO)は18日、2018年度上半期の広告審査に関する統計をまとめた。苦情や問い合わせなどの相談受付総件数は5237件(前年度比99.1%)で、通期で初めて1万件を超えた2017年と同様のペース。内訳は「苦情」が3911件(同101.8%)、広告制作にあたっての「照会」が830件(同98.0%)などで、「称賛」(2017年度下半期から設置した項目)も13件寄せられた。
業種別の苦情件数を見ると1位は「デジタルコンテンツ」で353件(同87.4%)、2位が「健康食品」で236件(同122.3%)、3位が「携帯電話サービス」で201件(同114.9%)。
「デジタルコンテンツ」は、前年同期にオンラインゲームやフリマアプリなどのテレビCM表現に対し多くの苦情が寄せられたが、2018年は落ち着いたため減少した。一方で、「健康食品」「携帯電話サービス」「通信販売業」は増加。中でも「健康食品」はインターネット媒体の苦情が目立っている。
JAROは苦情対象となった広告主にその理由についての見解を伝え、広告の適正化を促す取り組みも実施している。見解の発信は「警告」「要望」「提言」の3段階に分かれており、今回の審議では、最も重い「警告」11件を含む14件を発信した。見解対象になった業種は「健康食品」「化粧品」「通信販売業」などで、過大な効果をうたう表現や誤認させる返送料などについて警告した。
特に苦情が多いのが定期購入契約への苦情。「初回無料」などの表記を見てお試しだと思い込み、申し込んだ後に複数回の購入になっていたことに気づくケースだ。この上半期で46件寄せられた。2017年12月の特定商取引法施行規則改正で、定期購入であることを広告に表示することが義務づけられたが、「広告が分かりにくかった」という声はいまだ根強い。
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