視察では、グローバルで巨大な規模と実績を誇り、伝統もあるメガエージェンシーも訪問。本レポートでは、クライアントの信頼を高めるため、PR業務からクリエイティブ、デジタル、コンサルティング領域にまで事業を拡張しているEdelmanを紹介する。
Edelmanは、1952年に設立された世界最大のPR会社で、世界65都市に拠点を構える。日本法人も2005年に設立された。同社は今、デジタル・ドリブンな変革を遂げている。NYオフィスのプレジデントであるジェニファー・C氏は、「基本理念として、①社員全員がアカウント・エグゼクティブである、②ビッグよりベストを追求する、という2点を重要としている」という。
同社は、従来のPRだけでなく総合的なコミュニケーションサービスを提供。これを「コミュニケーションズ・マーケティング」と呼んでいる。データを活用したクリエイティブ施策や、デジタルに特化した戦略とソリューションなどを融合した活動を通して、ブランドのレピュテーションやビジネスを「evolve,promote,protect(進化させ、促進し、保護する)」ものだ。
「マスメディアなどの大手メディアが提供するコンテンツのオーディエンスが減少している現在、人々の関心を引くためには、思わずシェアしたくなるようなストーリーが必要」と述べた。
事例として現在、進行中のハワイ州観光局のプロジェクト「Work From Hawaii」が紹介された。プロジェクト担当のチャーリン氏とジェニファー・F氏によると、「ニューヨーカーにハワイを旅先として選択してもらうことが狙い。最近の『ハワイは古臭い』というイメージを取り払う必要があった」。
そこで近年のリモートワークのトレンドを活用。「ハワイを働く場と考え、ニューヨーカーのペルソナと職種に合わせリモートワークができる住居をハワイにつくり、それぞれインフルエンサーに体験してもらい、ニューヨーカーにリーチさせた」と語る。すでに大きな反響があり、さらなる成功が見込めるという。
また、同社はデジタルトランスフォーメーション部門を設置している。SVPのウィル氏は「今日のデジタル環境で、企業が抱える問題に対してソリューションを提供するために同部門を立ち上げた。デザイン思考と厳密な分析を組み合わせ、企業のリーダーが自社の目的に向けてより賢明に効率よく行動できるよう、企業の変革を支援する」と説明した。
2019年度の本視察研修「Business Creation Lab. in New York」は9月22日(日)から9月29日(日)に開催予定です。最新情報は、Webサイト、またはメール(info-educ@sendenkaigi.co.jp)までお問い合わせください。