「CES 2019」現地レポート③ — LGの発表に見る、AI活用の新たな体験設計(森 直樹)

CES 2019が、米国・ラスベガスで始まりました。CESは4500を超える出展企業、150以上の国から18万人以上の参加を見込む、世界最大規模を誇るテクノロジーの祭典です。CESは50年の歴史がありますが、今日ではかつての家電ショーの位置づけから、テクノロジーのイベントへと変貌を遂げています。

CESではスマート家電に始まり、モバイル、自動車、ロボティクス、IoT、AI、AR/VRなど、これからのビジネス環境に大きく影響を与えるテクノロジーや先端的な取り組みに触れることができます。ここで触れることができるテクノロジーは、ライフスタイルを大きく変化させることは間違いなく、マーケターにとっても重要な示唆が多く発信されています。今年も、「アドタイ」視点で現地から森直樹が最新情報をお届けしていきます。

AIによる新たなユーザー体験を提唱する、LG

CES現地レポート第3弾は、AIに注目。CESではここ数年、AIや音声アシスタンスが注目されてきたが、いよいよライフスタイルに影響を与えるフェーズに突入したのではないかと考えている。LGの記者発表を中心にAIや音声アシスタンスの最新事情をお届けする。

「アドタイ」読者の皆さんはすでに、LGがCESで発表した新しいテレビ(フレキシブルなディスプレイ技術で台座に収納可能となった全く新しいテレビ)について、メディアの報道で見聞きしているのではないだろうか? 

テレビも凄いのだが、私が今年のLGによる記者発表で最も関心を持ったのはAIの活用について、そのサービス設計思想であった。

CES2019のLGの記者発表会に参加して、AIを取り巻く環境が大きく変化していると感じた。少なくともLGの記者発表は、AIを近未来のテクノロジーとして捉えているのでも、またAIという技術にことさらフォーカスしているものでもなかった。AIによる新しい体験を提供していくのだとい、強いメッセージと、それを可能にするサービスの発表なされていたからだ。

LG Senior Vice President MarketingのDavid Vander Waal氏は、記者発表で「ThinQ (LGが提供するAIプラットフォーム)によるAI戦略がユーザーを独自に理解し、消費者の利便性を向上させる。LGのAIに対するビジョンは、AIは、家庭生活、仕事やモビリティにおいて変革をもたらす」と訴えた。

LGのThn!QAIによる新たなユーザー体験を提唱するLG Senior Vice President MarketingのDavid Vander Waal氏。

次ページ 「利用者のニーズを先読みするLG ThinQがスゴイ」へ続く

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