テクノロジー・ドリブンの企業が、マーケティング領域に参入。マーケティングの世界を変えようとしている。本レポートでは、その企業のひとつ、広告の無駄や詐欺をなくし、より結果が出やすいマーケティングを実現するOracle Data Cloudを紹介する。
デジタル広告の問題に光をかざす救世主か
Oracle Data Cloudは、ブランドやパブリッシャーのマーケティング成果を高めることを目的としたソリューションを提供している。今回、同社ならびに同社が買収したMoatと、Grapeshotを視察した。
Oracle Data CloudのGVPのカート氏はまず、「日本での事業規模を2020年までに10倍に成長させたい」と展望を述べた。また「クライアントにはGoogleやFacebookがいて、彼らのデータを補うオフィシャルなサードパーティデータパートナーとして採用され、データを提供している。それは、彼らができないことを我々ができるからだ」という。
さらにデジタル広告においては「昨今、アドフラウドやビューアビリティなどの問題が露見している。実際に人が見てこれらの問題を解決し、正確な測定やマーケティング施策を支援することもデータクラウドの役割だ」と語った。
デジタル広告領域における具体的な問題は、①ビューアビリティ(広告が掲出されているが認識されない)、②アドフラウド(人ではなくボットが閲覧し広告料金を不正請求する)、③ブランドセーフティ(公序良俗に背く、またブランドが露出するのにふさわしくないメディアに露出しないようにする)、④GDPR(個人データを法で決められた条件を守って、安全に運用しなくてはならない)の4つがある。
Moatのマーク氏とシマ氏は、「我々が提供するダッシュボードを通じ、出稿した広告のうち実際に人間が見ている広告は何%あるかを確認できる。ビューアビリティの計測はもちろん露出時間や閲覧時間も把握できるので、出稿した広告の投資効果の検証も可能だ」と述べた。
Grapeshotのトーマス氏とクリス氏は、ブランドセーフティの機能について「コンテキスト解析の技術に強みがあり、背後の文脈からコンテンツ内容がポジティブかを確認できる。ブランドを棄損するような広告の掲出を防ぐことはもちろん、瞬時により適切なページを探して広告を出稿することが可能だ」と説明した。
2019年度の本視察研修「Business Creation Lab. in New York」は9月22日(日)から9月29日(日)に開催予定です。最新情報は、Webサイト、またはメール:info-educ@sendenkaigi.co.jpまでお問い合わせください。