「既存の価値」だけにこだわっていては、突破口は開けない
私たちはこれまでインサイトに関するプロジェクトを600案件以上手がけてきました。インサイトのリサーチを行い、そこで明らかにしたインサイトに基づく商品開発やコミュニケーション・プロモーションプランニングをサポートしています。
今回お話ししてきた「欲しいと思っていない人」を「欲しいと思っている人」に変えることで大きな成果が生まれる、ということは、その600以上の経験の中で身をもって感じていることです。
当初は「既存のユーザー」、すなわち「現在その商品やブランドを欲しいと思っている人」にフォーカスすることが重要と考えていました。しかし、そこで得られるインサイトから生まれるアイデアでは、成果がいまいち上がらない、ということも多かったのです。
PDCAを回し、何が問題なのか、いかに精度を高めるか、を考えていく過程で発見したのが、「ノンユーザーも含めて」広くインサイトを調べるということでした。すなわち、「人間を見に行く」ということであり、「欲しいと思っている人」だけを見るのを辞めるということです。そうすることで、成果は格段に上がり、精度も高めることができるようになったのです。
幸いにしてデジタルマーケティングにはPDCAを回せるという強みがあります。現状に悩む読者の方にも、インサイトに基づく新たな仮説をつくり現状を大きく改善する取り組みを期待します。
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ヒットを生み出すには、ニーズからインサイトへ。いまの時代、消費者に聞くことで分かるニーズは充たされ、本人さえ気付いていないインサイトが重要に。人の「無意識」を見える化する、インサイト活用のフレームワークを大公開。