全日本広告連盟(全広連)は2018年12月18日、広告界の発展に貢献した個人や団体を顕彰する第7回「全広連日本宣伝賞」受賞者を発表した。
「松下賞」は唐池恒二氏(九州旅客鉄道 代表取締役会長執行役員)、「正力賞」は髙田明氏(ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎代表取締役社長)、「吉田賞」は戸田裕一氏(博報堂DYホールディングス代表取締役社長、博報堂取締役会長)、「山名賞」は西村佳也氏(コピーライター)がそれぞれ受賞した。岸志津江氏(東京経済大学副学長・経営学部教授)には「特別賞」が贈られた。
「松下賞」を受賞した九州旅客鉄道の唐池氏は、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の立ち上げに寄与、全国のJRグループにブームを起こした。東日本大震災が起きた2011年には、九州新幹線全線開業のCMが九州の地から日本に明るい希望を発信し、国内外の広告賞を受賞。広告の社会的使命をまっとうし広告界の発展に寄与した。
「正力賞」を受賞したジャパネットたかたの髙田氏は、自ら通販番組に出演することで売り上げを伸ばし、広告界の活性化に寄与。本社のある長崎県佐世保市や東京にテレビスタジオを設けるなど幅広く業容を拡大。2017年には、経営難だったJリーグクラブ「V・ファーレン長崎」をグループ会社化し経営再建に乗り出すなど、地域活性化へも多大な貢献を果たしている。
「吉田賞」を受賞した戸田氏は、博報堂入社後、制作局でコピーライター、クリエイティブディレクターとして活躍、数多くの広告賞を受賞した。経営企画室では、博報堂、大広、読売広告社3社の経営統合の指揮にあたり、博報堂DYホールディングスの発足に尽力。博報堂DYグループの経営体制の強化を積極的に推し進め、広告界全体の発展に大きく寄与した。
「山名賞」を受賞した西村氏は、サン・アドを経て、コピーライターとして、ウールマーク「触ってごらん、ウールだよ。」、西武百貨店「女の時代」など数々の広告を手がけ、ADC会員最高賞、TCC最高賞、毎日広告デザイン賞、クリオ賞、カンヌ賞などを受賞している。長年にわたり名コピーワークの数々で広告文化史を創り上げてきたとして評価された。
「特別賞」を受賞した岸氏は、2010年度から2016年度まで日本広告学会会長を務め、学会の発展に寄与するとともに、研究者として、日本の広告研究の発展に貢献し続けている。『現代広告論』(有斐閣)などの著書をはじめとして広告教育において啓発的役割を果たし、広告界にとどまらず各界に優秀な人材を多数輩出した功績が認められた。
全広連日本宣伝賞は、広告界の向上・発展に寄与した個人や団体を表彰する賞として、広告主に「松下賞」、メディア関係会社やイベントのコンテンツプロデューサー等に「正力賞」、広告関連会社に「吉田賞」、クリエイターに「山名賞」を贈る。また、広告の社会的使命の促進に特別に功労があった、と認められた場合に上記4賞に加えて個人又は団体に「特別賞」を贈る。日本宣伝クラブが昭和30年代から実施してきた「日本宣伝賞」を前身とし、全広連が2013年度から継承している。
贈賞は、5月16日に開かれる「第67回全日本広告連盟富山大会」式典内で行われる。
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