【前回の記事】「『カメラを止めるな!』は、なぜ爆発的にヒットしたか?関係者に聞いてわかったこと」はこちら
2018年4月から始まった、「All & P+C7」をおさらい
「視聴率至上主義」などという言葉があります。これは悪いことだとされてきましたね。「視聴率のことしか考えてないなんて、最低の番組だ」とか言われて。
でもこの視聴率が、今見直されているようです。
視聴率は、視聴率のままでよいのでしょうか。
これは「アドタイ」の連載でも2017年の12月に書いたことです。視聴率が別の視聴率に変わろうとしている話ですね。
2018年、テレビ視聴計測が変わる。それは、広告業界の「平成」が終わる準備かもしれない。
いま思えば、実に象徴的なタイトルです。「平成」が終わる準備、とか書いているのが、いよいよ平成の終わりが近づいて真に迫るものになってきました。この時に書いたのは、視聴率がリアルタイムの世帯視聴率から「All & P+C7」に変わるということです。
おさらいすると、このAllとは「個人全体」のことです。これまで「世帯」だったのが「個人」になる。「個人全体」の中で何%だったかを数字にするので「All」と表現しています。そして「P」はProgramつまり番組のこと。リアルタイム視聴率は番組の視聴率を測ります、ということ。「C7」とはCommercialを7日間の意味。タイムシフト視聴率はCMの視聴率を放送後7日までカウントします、との意味です。ややこしいですね。
まあこの「All & P+C7」は、ざっくり言うと「世帯から個人」という部分と、「タイムシフト視聴率も加える」という部分が、これまでからの大きな変化でした。ただしスポット取引で使う指標としては、という限定的な運用です。これが昨年4月から関東圏だけで導入されたんですね。