ユーザーに寄り添う、コミュニケーションで満足度向上 オズモールの「Oracle Service Cloud」活用事例

自分たちに必要な機能を取捨選択、運用することで成果につなげる

―中村さんのCS推進グループでは、導入後どのように運用されていますか。

中村:導入前は「Oracle Service Cloud」であらゆる課題を解決できると考えていました。ところが導入後は、お客さまから「FAQが間違っている」と指摘されるなど、むしろ問い合わせが増えてしまって課題解決どころではありませんでした。これは、私たちのサービス理解度が低く、FAQの設定が適切ではなかったために起こったことでした。

そこでオラクルさんのカスタマーサクセスマネージャーと定例会でコンサルティングを受け、とにかく言われた通りに実行しました。質問項目も200から400くらいへ倍近くに増やし、Webページも分かりやすいように修正しました。ほかにもガイドアシスタンスという対話型のコンテンツで、ユーザー自身がサイト上の質問に答えていくことで解決に導く機能の活用も提案いただきました。

結果として、2017年の利用傾向のデータを見るとFAQを改修した9月以降、訪問回数は増加する一方、キーワード検索回数は減少しています。また、問い合わせ後の「役に立ったか」を聞く質問に対しても役に立ったという回答が増えています。こうした結果から、訪問したユーザーが迷うことなく回答にたどり着いていると考えています。

私たちは導入に満足していますが、気を付けないといけないのは「Oracle Service Cloud」は「魔法の箱」ではないということです。導入すれば全て解決というわけではなく、自分たちの課題に対して何が必要なのか検討し、オラクルさんと一緒に改善しながら運用しないと、せっかくの機能も使いこなせませんし、ユーザーの支持も得られません。

当社はBtoCの事業が中核ですので、基本的にはオズモールのユーザーを対象としていますが、今後は予約サービスに参加している施設向けにも活用を考えています。ユーザー向け、店舗向けとで仕組みのつくり分けをしなくても、ナレッジベースに質問項目を入力すれば、見る人によって回答を出し分けることが可能なためです。

これは社内でも同様です。現在約200人の社員が働いていますが、従業員が多くなると各種サービスやコンテンツへの理解度も差が出てくるので、若手スタッフの質問に「前も言ったでしょ」みたいなことが起こりはじめています。ですので、社内向けのFAQを作ることも検討中です。

最近は、社内でこうした「Oracle Service Cloud」導入後の事例を共有しているので、他の部署からも何か新しい企画を始めるときに「FAQをつくりたいので相談したい」「Webサイトで離脱が多いから、その前のページにFAQを置きたい」という話も出てくるようになりました。CS推進グループだけではなく、「オズモール」に関わっている人全体に「Oracle Service Cloud」で何かができると感じてもらえるようになったのも導入のメリットでした。

CS部門がプロフィットセンターとして機能する、理想の形へ

日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 事業開発本部 ビジネス企画・推進部 CX Cloud 担当マネジャー 中里美奈子氏

中里:スターツ出版さんの活用方法でユニークな点は、CS推進グループが起点となって社内にも当社のサービスを生かされているところです。コストセンターと言われることが多いユーザーサポートを、サービスクラウドの機能を生かしてプロフィットセンター化しているという点で先進的な事例です。

中村:「Oracle Service Cloud」には非常にたくさんの機能があって、データの取り方もいろいろな方法がある。最初、知見がないときは「すごい」となるのですが、使い始めると多すぎてわからなくなる。そこでカスタマーサクサセスマネージャーと相談して、まずは使う機能を絞って、それからコンサルティングを受けながら少しずつ機能の利用範囲を広げてきました。

これから導入される企業も、サービスのスペック度合いに自分たちを合わせようとするのではなく、自分たちに必要なことにツールの何が使えるのかを考えることからはじめるのが良いと思います。

―Oracle Service Cloudは出来ることの幅があるため、スモールスタートの後にスケールすることができるのも魅力ということですね。

パーソナライズしたレコメンドで、よりユーザーとの関係を深めたい

スターツ出版 管理部 CS推進グループ 担当部長 中村由照氏

中里:ユーザーの行動データも蓄積することができますが、どのようなデータを見ていますか。

中村:大きくは2つのデータを見ています。ひとつは「キーワード検索の状況」。これを見ることで、ユーザーが何を求めているのかを文字で知ることができます。もうひとつが「検索回数と訪問回数」です。これがわかれば、どこから流入してきたのかもわかるので、それならそこに入口をつくれば良いのではないか、という改善のアイデアにもつながります。

中里:「オズモール」はユーザーを「かけがえのない女友達」としてサービスを展開されているということでしたが、本当に女性の気持ちを捉えていらっしゃるなと感じました。そのサービス向上に「Oracle Service Cloud」を活用いただいて嬉しく思います。

「Oracle Service Cloud」は単なるナレッジを溜めるツールだと思われることもありますが、ユーザーがたどるライフステージ全体を網羅しています。単純に統計上この問い合わせが多いから上位に表示するということではなく、どのタイミングでどんな問い合わせがあったのかも知ることができ、ユーザーの状況に合わせた項目を自動的に並び替えることも可能です。今後もOracle Service Cloudで得られるデータをLife Time Communicationの情報プラットフォームとして活用いただきたいです。

中村:中里さんがおっしゃるように、状況に応じたレコメンドをパーソナライズする機能もあるので、そこをうまく活用してユーザーとのコミュニケーションをより良いものにしていきたいです。

そこで私たちができることは「言葉」の部分。FAQの文言を丁寧にしすぎず、「です」「ます」調にするなど、より身近なものと感じてもらうコミュニケーションにすること。いかにユーザーに寄り添ったコミュニケーションができるか、その「言葉」の部分は私たちが追求していかなければならないと思っています。その言葉を「Oracle Service Cloud」に乗せながら、今後もサービス向上に努めていきたいと考えています。



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