ほんとは広告界を去ろうと思っていた。

大阪で4月から開講するコピーライター養成講座基礎コース。ここでは、これまでに本講座を受講し広告界で活躍するクリエイターに、受講のきっかけやその後について聞く。

版権 : Heinz Meis/123RF 写真素材

2017年の夏、僕は関西の小さな広告会社にいた。
CMディレクターになりたくて、長い下積みを経て、縁があって入った会社だった。
その会社は通販広告専門の広告会社だった。

「さぁ、これからCMディレクターとしての人生がスタートするんだ!!」

そう思っていた。
でも、現実は厳しかった。なかなか通らない企画。
思い通りに仕上がらない映像。上司や先輩からの重圧。
自分には向いていない。いっそ辞めてしまえば楽になるかもしれないと、毎日思っていた。

そんな時に宣伝会議のコピーライター養成講座の存在を知った。
広告を基礎から勉強し直して、それでもダメなら、この業界は辞めようと思った。

最後の挑戦だった。

通うにあたって自らに課したルール。

1. 欠席しない。身体を引きずってでも出席する。
2. 課題は全部出す。忙しかったなんて言い訳しない。
3. 講義内容は漏らさずすべて聞く。寝るなど以ての外。
4. 疑問は残さない。その場で質問する。
5. 悩みを打ち明けられるクリエイターの仲間を作る。

辞めようか迷っていたが、辞めたいとは思っていなかった。
だからこのルールを作って、絶対に広告のスキルをモノにしてやろうと誓った。

コピーライター養成講座2017、秋コース大阪教室。
広告についての基礎を学んだ。
今まで感覚で済ませていたものを体系立てて、きちんと勉強できた。
目から鱗の講義もたくさんあった。

広告を作る人は、自分の気持ちに素直であれ。
嘘はつくな。人に優しくなれ。
考えても、考えても足りないぐらい考え抜け。
特別じゃなくていい、普通の人であれ。

テクニカルなことよりも、もっと足元の大事なことを
気付かせてくれた。

とても簡単で、難しい。でも簡単。そんな変な感覚。
つまり、楽しい講義ばかりだった。

ある講師の方からの一言。

「君はこんなコピーが書けるんやから、辞めるのはもったいないよ」

そう仰ってくれたのは、電通の絹谷公伸さんだった。
その一言がめちゃくちゃ嬉しかった。
それまでも講座は楽しかったが、より一層楽しくなった。

当時いた会社で成功したいと考えて通っていた講座だったが、
通販広告だけじゃなくて、「もっと大きなフィールドで仕事がしたい」と思うようになった。

それから、広告賞に挑戦したいと考えるようになった。
正直それまでは、広告賞なんて雲の上の出来事だと思っていた。
大きな代理店や有名な制作会社の人たちが目指すもの、と勝手に思い込んでいた。

講師の方々の話を聞き、アドバイスを受けるうちに
自分で自分の活躍の場を狭めていたんだと気がついた。
「あっ、そうか。自分ももっと上を目指していいんだ」
そう思ったとき、とても楽になった。
抑えつけていたものが取れた感じ。
きっと窮屈だったんだ。

そして先程の絹谷さんの言葉。
2018年2月、僕はもう少しこの業界で頑張ってみようと思っていた。
コピーライター養成講座も終盤に差し掛かっていた。

僕は転職を決意した。

3月から転職活動を始めて、広告代理店や制作会社の求人にエントリーした。

そして、6月半ばに内定が出た。
アストラカン大阪という肥後橋にある広告制作会社。
映像ディレクターとして採用された。

通う前と今で、何が一番変わったか。

それは、映像にこだわらなくなったこと。
映像ディレクターだけど、映像じゃないことにも挑戦したいと考えられるようになった。

たぶん、広告に対する視野が広くなったってことだと思う。
通う前では考えられなかったことが、考えられるようになった。

他には、以前のような苦痛を感じなくなったこと。
相談できる仲間ができたこと。
飲み会が増えたこと。

今、とても楽しい。
この業界に残ってよかったと思っている。

次はどんな楽しいことをしようかなと思いながら、毎日を過ごしている。

川地 廣和(かわち・ひろかず)

2011年、他業種から映像業界に転職。フリーランスの映像制作スタッフとして下積み時代を送る。2017年、宣伝会議コピーライター養成講座基礎コースを受講。2018年、アストラカン大阪入社。入社後はUniLife「うにライスRAP篇」、古座川ジビエ「古座川ジビエ コンセプトムービー」他、イベント映像なども担当。

 

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