性格もマーケットも違う2社はベストマッチ?
実は昨年のゴディバの新聞広告は、ブラックサンダーにも思わぬ影響を及ぼしていた。「あの新聞広告がマスコミに大きく取り上げられたことで、結果的にブラックサンダーもかつてなくテレビで取り上げられたんです。東京駅に出店していた『義理チョコショップ』にたくさんの取材陣が訪れ、その結果、来店者数が飛躍的に伸びました。Twitterのフォロワーも1カ月で2倍になって、私たちにとっても、義理チョコ活動を改めて知っていただくいい機会になったんです」(内藤さん)。
互いのポジションは対極にあるが、「チョコレート市場全体を盛り上げたい」という思いは一致している。
宮崎さんは「こうしたやりとりを見ていただき、チョコ市場を盛り上げることで、『買ってみようかな』と思ってもらえたら。マーケットも棲み分けられている2社なので、うまく一緒にバレンタインを盛り上げていきたい」という。2社の活動を見て、実際に「両方買いました!」とTwitterで報告した人も出てきたという。
冒頭のサンプリングブースの設置も、そのための話題作りの一環だ。ブースに書かれた「THANKS GODIVA」というコピー(2019年のゴディバのバレンタインテーマでもある)には、「毎年同じチョコメーカーとして、バレンタインを盛り上げてくれてありがとう」という意味合いも込められている。
「有楽製菓の皆さんにゴディバのチョコを試食していただき、本命チョコを買いたくなった時には、ぜひゴディバのチョコをお買い求めいただければ」と宮崎さん。内藤さんも「次は、私たちから『義理チョコ』という形で、お返しのブラックサンダーをお届けしたいと思います」と負けていない。「本命」と「義理」、思い切った意外な組み合わせだからこそ、実は話題を生み出しやすかった両社のコラボ。ホワイトデーに向けて話題づくりは続く。
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