社内エンゲージメント向上をどのような評価指標に紐づけるか
前田:誌面でも既にいくつかの対処方法をご紹介頂いたのですが、「こうなったら成功だ」と言える評価指標・成功基準というものはあったんでしょうか?例えば、今おっしゃったような、「各部門から情報が発信されていれば、社内のエンゲージメント向上は成し得ている」といったような・・・。
北條:エンゲージメントの向上につながっているかどうかのイメージとして、まだ完全にわかっていない部分はあるんですが、たとえば「他の部門の人たちが何をやっているのかが、わかるようになる」ことを目指しています。
今までは、大きな組織の中で、隣の部門が実際何をやっているのか。どんな人が何をしているのか、よくわからないという問題がありました。この問題解決の手段としてデジタルプラットフォームがあるわけですが、ポイントとなったのが動画活用です。2018年に動画作成アプリを導入し、活用し始めて一年ほどになりますが、約一年で100本以上の動画が33部門からつくられて発信されています。その動画をイントラや社内SNSで発信し、さらに社内サイネージにも掲載しています。
これまで、「私たちはこういう業務・活動を行っているという情報を社員に見せたい・知らせたい」という時の方法は、文章を書いて写真も掲載するというイントラのニュース記事がメインだったのが、今は情報量が多い動画でもこのような情報を手軽に発信できるようになりました。
前田:メットライフさんの社内には70台以上のデジタルサイネージがあるそうですが、テキスト中心のニュース記事よりも動画を流す方が見てもらえそうですね。
北條:そうですね。
各部門の社員が動画で情報発信できるチャネルの一つがデジタルサイネージだったり、myMetLife(イントラ)だったり、MetLife Tube(動画プラットフォーム)だったり動画がユーザーの目に触れる環境が整ったので、そういう意味では会社全体として、他の部門がどういうことをやっているかというのがわかり、より近く感じられるようになります。各部門から発信されて、自分が顔を知っている人も出てくるので、目にする情報をより身近に感じられるのではないでしょうか。
動画制作はスキル、コスト、時間など、ユーザーにとっては、今まですごく敷居が高かったのですが、今使用している動画制作スマホアプリを使うと、誰もが簡単に、メットライフのブランドガイドラインに沿った動画を数日或いはその日の内に撮影して各動画配信チャネルに配信できます。そのスピード感と、弊社の役員がよく言っているUGC(ユーザー・ジェネレーティッド・コンテンツ)のインターナル版として、社内の様々な情報が次々と動画コンテンツ化されています。社員が自分で動画制作アプリをインストールして、私たちのチームが一時間のベーシックトレーニングをするだけで、あとはアプリを使って各自で積極的に、まさにどんどんどんどんコンテンツをプロデュースしてくれる、という状況になりました。そして、ほとんどの部署がリピーターになり、何本も動画を撮って投稿してる部門もあります。
原田:
イントラのニュース記事はテキストがメインなので、その熱意や想いを伝えるために発信したい部門の人がオーナーとして書いてもらっています。のしかし、記事を書くことに難しさを感じてしまうこともあると思います。そうすると、すぐに制作できる、この動画制作アプリを活用すれば、映像の力で伝えることができ、テキストは不要になるため、情報発信がラクになります。
あとは北條も言ったように動画制作のスピードの速さがいちばん喜ばれています。例えば海外のイベントなどでも、そこで撮った動画をアプリでレンダリングして管理画面にアップしてしまえば、翌日にはその動画が配信することができます。
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