TikTokがワカモノアプリの時代は終わった。2019年のTikTokはオトナがブーストさせていく

変わりつつある、TikTokのフィード

しかし、2018年も後半になると、CMやプロモーションで描かれていた世界が、現実に落とし込まれるようになっていることに気づく。

前々から思っていたが、TikTokは案外20代中盤以降の男性が見ていることが多い。まさに上戸彩世代である。「仕事帰りに何も考えずに可愛い女の子がダンスしているのを見てる」という声を実際に聞いたことがあるし、日本よりも先に進化が進んでいる中国でも、徐々に男性ユーザーが増えているようだ。

動画自体の種類も、最近はダンス動画以外をよく見かけるようになった。スポーツのスーパープレイ動画、料理動画、なんでもない日常の動画などなど。ダンス以外でも思わずひたすら見続けてしまうような動画が並ぶ。それにはきっと、ユーザーの見たいものを見せ続けるAIのチカラがあるのだろう。

2018年10月には“TikTokグルメ”のキャンペーンが始まった。プラットフォーム自ら、ダンス動画以外のコンテンツを求め、訴求しているのである。さらに、今年は中国ではすでに実装されているEC機能もうまくいけばリリースされるのではないだろうか。EC機能がリリースされれば、コスメ・ファッション・アクセサリーなど、20代女性向けのコンテンツもきっと集まり始めるはずである。ともすれば、当然それらを買い求めるユーザーも同様である。

もう一度くる“TikTokブーム”は私たちアラサーの心も、きっと巻き込む

あなたのTikTokの印象が「ワカモノが可愛くダンスしているのを眺めるアプリ」だとするならば、今年はそれをアップデートする必要がある。TikTokは文字通り短尺動画プラットフォームのカラーを極め続けているのだ。そしてそのカラーは“プレーンな短尺動画”のキャラクターを濃くしている。

私が思うに、今年はもう一度“TikTok”の波が来る。そしてそれは“ワカモノに撮ってアツいアレ!”という扱いは卒業して、“万人のための万人に面白い、YouTubeよりも短く手軽に見られる動画プラットフォーム”としての活躍なのではないだろうか。

りょかち

1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。SNSに自撮りをアップし続ける「自撮り女子」として注目を浴びる。現在では、自撮りのみならず、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

 

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りょかち
りょかち

1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。SNSに自撮りをアップし続ける「自撮り女子」として注目を浴びる。現在では、自撮りのみならず、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

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1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。SNSに自撮りをアップし続ける「自撮り女子」として注目を浴びる。現在では、自撮りのみならず、若者やインターネット文化について幅広く執筆するほか、若年層に向けた企業のマーケティング支援も行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)。

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