モンデリーズ・ジャパンは、2019年のバレンタイン時期に合わせて、レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を活用した「オレオ」の認知~販促プロモーションを行った。レシピブログとのコラボ企画や店舗での動画活用など、メディアを超えて一貫性のある施策を展開し、昨対比で販売金額約120%を記録したという。その取り組みについて話を聞いた。
デジタル施策と店頭展開を連動し
一貫性あるプロモーションを実現
山村:「オレオ」は、多くの方に親しんでいただいている認知度の高いブランド。これからの販売戦略においては、いかに喫食シーンを増やしていくかがカギだと思っています。以前から、お菓子づくりの材料として使用されることが多い商品であり、バレンタインのある2月は売上が伸びる傾向がありました。より“手づくりのお菓子に使うなら「オレオ」”と認知させていきたいと考え、昨今はバレンタイン時期の販促活動に力を入れています。
宮島:課題は、ブランド側からのレシピ提案と店頭での販売展開がそれぞれ独立してしまい、プロモーションの効果を最大化できていないこと。バレンタイン商戦が年々激化する中、“手づくりお菓子の材料”として認知してもらうには、全体で統一感のあるビジュアルや共通のレシピを用いて、店頭でのお買い物のシーンにきちんと繋げていかなければなりません。
そこで、動画やレシピ素材を店頭で二次活用することができ、小売店さんからも高い支持を集める「DELISH KITCHEN」さんのお力をお借りしたいと考えたのです。
山村:バレンタイン時期にターゲットとなるのは、料理初心者の若年層。スーパーの店頭でも展開しやすい易しいレシピや、若年層の中で拡散しやすいレシピの開発をご依頼しました。
若年層の実態を掴んだレシピ開発
レシピブログとの連動企画も
菅原:バレンタイン時期は、未経験者も初心者もお菓子づくりに挑戦しやすい絶好の機会。「DELISH KITCHEN」でも、若年層のアクセス数が増えるタイミングです。パートナーに渡すだけではなく、学校や会社で配る用に大量につくる人たちが多いこともふまえて、今回は、①初心者でもつくれて、店頭で配るのにも適切なレシピ難易度②常温で持ち歩きしやすく、個包装できるもの③SNSでも映えるビジュアル、の3点を意識してレシピを開発。
「オレオ」をタルト生地やデコレーションに用いた「初めてでも失敗なし♪オレオ生チョコタルト」のレシピを動画化し、SNS上で配信しました。店頭で配布するレシピカードにもご活用いただきたかったので、個包装でも見栄えする「オレオフォンダンショコラ」や、「オレオクリームチーズトリュフ」「オレオチョコサラミ」と複数のレシピを開発。「オレオ」と「DELISH KITCHEN」のコラボサイト上では、全レシピを掲載しました。
山村:オーブンなど特別な機材なしでつくれる簡単なレシピでありながら、“ありそうでなかった”新しさや、“「オレオ」らしさ”があるレシピになっていたのが嬉しかったです。一気にたくさんつくれて、個包装で配れる点など、若年層のバレンタインの実態に合うご提案であったことも良かったですね。
菅原:さまざまな角度から拡散を行うため、今回は「レシピブログ」さんとのコラボも実施しました。「DELISHKITCHEN」の開発したレシピをフックに、「レシピブログ」のブロガーさんたちに「オレオ」を用いたレシピをつくっていただくことで、「DELISH KITCHEN」だけではリーチできない層へも拡散できたと思います。
競争激化のバレンタインで販売金
額前年比120%を達成
宮島:つくっていただいたレシピや写真素材などは、店頭でも活用させていただきました。「DELISH KITCHEN」さんとのコラボサイトと同じデザインで、店頭での特設棚や販促物を展開。また、モニターでレシピ動画を流したり、レシピ動画にも登場する「オレオワックスペーパー」を一部店舗でノベルティグッズとして配布したりと、徹底してデジタルと店頭の施策の一貫性にこだわりました。
「DELISH KITCHEN」さんとのコラボはスーパーを始め、小売店さんからの反響も大きく、商談でも活用することができて、店頭でのアウト展開を増やすことができたのがありがたかったです。結果として、「オレオバニラ」の販売金額が、前年比で約120%を達成しました(インテージSRI ビスケット&クラッカー市場2019年2月4日~2019年2月17日 累計販売金額 前年同期比)。また、ある小売店さんのPOSデータでは、売上個数が108%を達成したとご報告いただきました。
菅原:動画の合計再生回数も非常に高い結果が出ました。特にInstagramでの反響が高く、「クラス全員分つくりました」などの再現投稿も多く上がり、狙っていた若年層に届けることができたと思います。バレンタインなどのイベントごとでは、つくるだけではなく渡すことや配ることまで想定してレシピ提案をすることが重要だと実感しましたね。
山村:これからも喫食シーンを増やすため、さまざまなイベントや時期に合わせた提案を仕掛けていく予定です。さらに、店頭や販売のシーンと連動させられれば、今回のように売上拡大にも結びついてきます。そういった面で、「DELISHKITCHEN」さんは小売店さんとのつながりも深いので、今後もぜひ、デジタルだけではなく店頭にもつながる強いプラットフォームとして活用させていただきたいです。
菅原:「DELISH KITCHEN」では、現在小売店さん向けに、店頭デジタルサイネージの導入や、レシピカードデータの提供、「DELISH KITCHEN」とコラボした折り込みチラシの制作なども行っています。ブランド側の課題と小売店側の課題を結び付け、オンラインの領域にとどまらないO2Oの「食のフルファネルマーケティング」が可能なプラットフォームを目指しています。
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