文脈まで把握して広告を配信するのでユーザーの関心に合致する
同社の特許技術の中には、アメリカで開発された「LURID」というものがある。これはピクセルを解析することでヌードレベルを検知できる技術。被服部と肌の露出部の比率や、どんな洋服を着ているのかまで検知することができる。それ以外にも、同技術によって背景や風景の種類まで検知可能だと若栗氏。
「例えば、昨年ハーゲンダッツさんが実施した『Happy Häagen Heart』キャンペーンでは、スイーツ関連の記事文脈で広告を配信することで、関心の高い層に向けてブランドやプロモーションの認知獲得を図りました。このようにコンテンツの文脈を判断することで、その人にふさわしい広告が表示できるようになります」。
それらの特性が企業のブランディングに寄与できる理由について、若栗氏は次のように続ける。
「ユーザーにとって興味がある広告は、ほぼ確実に見てもらうことができます。広告主にとってはそれが最大のメリットだといえるでしょう。このように“文脈のターゲティング”を行い、そこにマッチしたクリエイティブを広告配信することでエンゲージメントはさらに高まります。究極的には、それによってブランドやプロダクトを好きになってもらうことが可能だと私たちは考えています」。
インハウスデザイナーによるクリエイティブチームを擁するGumGumは、ターゲティング技術だけでなくクリエイティブ制作まで一貫して行っている。
スマートフォンのアドブロックアプリの流行に象徴されるようにネット広告が消費者に受け入れられにくくなった現在、同社がクリエイティブに力を入れる理由について、シュレーダー氏は「私たちは広告によって美しい体験を提供することに誇りをもっています。ユーザーがぜひ見たいと思うような体験をクリエイティブとして提供する。そのことで広告主にもパブリッシャーにもメリットがあると感じています」。
オーディエンスデータを使わずに最適な広告を表示する
これまでのインターネット広告は、オーディエンスデータに強く依存してきた。オンラインにおける個人情報の扱いが大きな関心事となっている今、将来的にはさまざまな規制が導入されていくはずだと、シュレーダー氏は予測する。
「ユーザーがいま何を探しているかというデータですら、今後は個人情報保護法の改正によって使えなくなるでしょう。そういった意味でも、広告の出稿先をコンテンツの文脈から判断することが必要になります。消費者のデータを利用せずに興味に沿った広告が出せるGumGumの技術は、今後ますます重要な意味を持つことでしょう」(シュレーダー氏)。
加えて、「日本はユーザーを尊重する企業文化がある」とシュレーダー氏。オーディエンスデータを使わない選択肢を検討する企業にとって、同社のソリューションは非常に相性が良いと感じていると話す。続けて若栗氏は、「ブランドセーフティを保った健全な広告配信は、広告活動として前提であるべきです。その上で、文脈に沿った魅力的な広告を配信することは、ユーザー、広告主、パブリッシャーにとって極めて有益です」と語る。
さらに若栗氏は「GumGumを使った広告配信は文脈に沿っている分、1インプレッションの質が高いという特徴があります。そのためブランド認知度の向上や好意醸成といったブランディングに活用できますし、これまでインターネット広告が得意としてきた購買意欲の喚起にまでつなげることができます。インターネット広告だから必ずしも獲得のみを考えないといけない、といったことはありません。ブランディングの手段としてGumGumを活用していただけるお客さまが増えていくことで、私たちとしても日本の広告界の発展に貢献していきたいと思っています」と続ける。
今後は、より難しい課題の解決を目指すGumGum。「最近、実現したのが、スポーツ界におけるスポンサーシップの効果測定です。われわれのテクノロジーによってロゴを検出することにより、その露出時間から価値を換算できるようになったのです」(シュレーダー氏)。
これによってスポーツチーム側は自らの公正なスポンサー価値を理解することになり、広告主側とスムーズに話ができるようになる。同社では今後はこうした新たな分野での試みを積極的に進めていき、時代に合ったイノベーションを続けていきたいと考えている。
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