日本アドバタイザーズ協会(以下、JAA)は4月16日、東京・銀座にてメディア関係者を対象に2019年度の事業活動方針に関する報告会を行った。
本事業報告会には伊藤雅俊理事長(味の素 代表取締役会長)他、各委員会の委員長が参加。JAAの2019年度の活動方針、ならびに各委員会の活動方針が報告された。
JAAでは2019年度、以下の活動方針を掲げている。
1. 関係者とのより顕密なコミュニケーションによる連携強化
2. デジタル広告における課題の抽出と解決に向けた取り組み
3. グローバル視点強化
4. 人材育成と知見の共有
伊藤雅俊理事長は、1兆7589億円と地上波テレビ広告費の1兆7848億円に迫る規模にまで成長(電通「日本の広告費」)した、インターネット広告について言及。「デジタル広告は、広告主にとって活用の期待は大きいが、急激な成長の背後で負の側面が課題化しているのも事実」と話し、JAAとしてもデジタル広告市場の健全な発展に向けた取り組みを進めていく意向を示した。
デジタルメディア委員会の山口有希子委員長(パナソニック)からは、具体的な方針として「デジタルメディア委員会では昨年度に引き続き、今年度もデジタル広告の取引の適正化と透明化、そして効果の可視化を軸にした活動を進めていく」との説明があった。
具体的には昨今、国内でも問題化しつつある、ブランドセーフティ、アドフラウド、ビューアビリティといったデジタル広告の品質課題解決に向けた取り組みを進めていきたいとし、これら諸問題に対する、アドバタイザー側の意識づけ、そのための啓蒙を行うことを目的に、アドバタイザーの諸問題に関する意識を探るための調査を予定していると話した。
またグローバルの動きも取り入れ本年度、WFA(世界広告主連盟)が、デジタル広告が直面している諸課題に対して、アドバタイザーをはじめとする各プラットフォーマーが守るべき原則を示した「WFA Global Media Charter」の日本版の制作を進める方針であるとした。
山口氏は「デジタル広告の諸問題は、広告主だけで解決できる問題ではない。日本広告業協会、日本インタラクティブ広告協会などの関係団体と連携し、協議を進めていきたい」と話し広告業、メディアを巻き込んだ取り組みを進めていく方針を示した。