マスからコミュニティ、コミュニティから場の創造へ
自分の生きている世界はどうしても小さい。限られたコミュニティのなかにいるにすぎない。自分のなかの常識が、すぐ隣の人はまったく知らないことだったりするのはザラです。世の中はマスが弱くなりコミュニティが強くなっています。
でも、そのコミュニティごとに表現を細分化して当てていくことよりも、むしろひとがコミュニティの外に出て、新しく大きなコミュニティをつくってしまうような場を、僕たちはつくりにいったほうがいいのかもしれない。みんなが注目する場をつくる。そこからつくる必要がある、ということかもしれません。そこに人を動かすダイナミズムを感じながら生きていくほうがはるかに楽しそうだとも思います。
新しい今までにないハードルを自分に与えると、それを超えたら今までの自分にはつくれなかったものがつくれる。それを繰り返していくだけなので、周りの変化も自分が何か新しいことをやるための材料のひとつ、ということなのだと思います。自分で言ってて呆れるほど、ドMですね。
高崎卓馬(たかさき・たくま)
電通 クリエイティブ・ディレクター
広告を軸に、「ひとの心を動かす」ものづくりの領域は多岐にわたる。手がけるキャンペーンは長く愛されるものが多い。主な最近の仕事は、JR東日本「行くぜ、東北」サントリー「オールフリー」「オランジーナ」三井不動産BE THE CHANGE、樹木希林の三井のリハウス、羽生結弦のANA、窪田正孝の日本郵政グループ、永野芽郁のNOMURA、など。2度のクリエーター・オブ・ザ・イヤーを受賞など国内外の受賞も多数。著書に「表現の技術」、小説「はるかかけら」などがある。
『面白くならない企画はひとつもない 高崎卓馬のクリエイティブ・クリニック』高崎卓馬 著
どういうコンテンツが面白いCMなのかまったくわからなくなってしまった後輩、トミタ君がある日、業界で輝きを放つトップクリエイター高崎卓馬の元へ相談にやってくる。そこで彼の悩みを聞いているうちに、高崎は業界に広がりつつある疫病の存在に気付いた。彼らを救うために、同じ悩みをもつ人間たちを集め、高崎卓馬のクリエイティブ・クリニックが開催される。おもしろいコンテンツを生み出すための正しい悩み方、テクニックなど。実際の生徒たちのコンテを元に、高崎が解説、アドバイス、などを処方していく。
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