分業しないから作品に入れ込む熱量が高くなる
—エルロイでは5つの部署が互いの役割をカバーしながら制作すると聞きました。実際の仕事はどう進むのでしょうか?
土屋(プロデュース部):通常、クライアントの窓口になるのはプロデュース部で、プロデューサーが仕事の依頼を受けるところから始まります。案件に応じてスタッフを組み、プロデューサーが引っ張って企画を出していくスタイルです。
高原(企画デザイン部):僕の所属する企画デザイン部はプランナーとデザイナー(コンテ担当)が所属しています。企画は主にこの部署で担当しますが、社員は誰でも企画を考えて提案できます。例えばゲームの案件なら、そのゲームが好きでたまらない人が企画を考えてもいいんです。
高橋(撮影部):僕ら撮影部が企画から関わることも多いですよ。企画段階から撮影の手法を一緒に考えて企画をブラッシュアップしていけるので、後のプロセスで無駄がなくなります。
伊藤(編集部):エディターも企画段階から相談に乗りますし、撮影現場にも足を運びます。企画を理解して現場に臨むから、よくある「念のため別のカットを撮っておく」といった無駄が発生しません。また、エルロイの編集はオフラインとオンラインが分かれていないんです。同じエディターが両方することでお客さんからの信頼も得られますし、自身の作品への愛着も高まります。
学生時代からそういうやり方で映像制作がしたくて、エルロイに入社しました。
岩田(制作部):愛着が湧きやすいのは制作部も同じです。他のCM制作プロダクションと比べても、エルロイは全社員がワンフロアで仕事をしているので、制作が監督やカメラマンと話す機会が圧倒的に多く、仕事がバトン形式になりません。それによってお客さんにプレゼンをする前に撮影や編集の懸念をすべてつぶしておけるのもいい点で、スムーズな進行や安心感につながっていると思います。
高原:ワンフロアでコミュニケーションが取れるのは大きいですね。以前、あるWebCMで初めて企画と演出を担当した時は、カメラマンやエディターにひたすら相談して助けてもらいました。「そのままでは無理だけど、こうすればできるよ」とアドバイスをもらえたからこそ、ギリギリのところを攻めることができました。
土屋:映画の「組」みたいというのは、まさにそういうところ。企画に全員が意見を言えるから、エルロイは“みんなで作る”チーム意識がとても強いし、分業にならないから作品への思い入れも深まります。
高原:誰かの「これを作りたい」という気持ちに引っ張られて、ちょっとずつ皆が上乗せしてクオリティが結果的に上がる、ということが日常的に起きますよね。
—エルロイは多くのスタッフが役割を「兼務」しているのも特徴的です。
土屋:ディレクターの役割はここまで、エディターはここまでと世の中では区切りがあるように思われていますが、その作品に最適なスタッフィングができるならその区切りは不要です。僕の場合は、ディレクターとプロデューサーを兼ねることもありますが、1つの作品で両方の役割を兼ねれば、今回はここに予算をかけようと自分で素早く判断できますし、逆に規模が大きい案件では自分は演出に専念してプロデューサーは別に立てるなど、フレキシブルに進めています。
高橋:社内に多様な職能を持ったスタッフがいることで、融通を効かせた対応ができることにもつながっていますね。
現場で課題を見つけて現場で解決する組織
—エルロイの組織のもう1つの特徴が、「逆ピラミッド型組織」だそうですね。
土屋:各部の部長が現場の課題を社員から吸い上げ、毎週行われる部長会議で共有し、解決案を経営陣に提案しています。その結果は全社員にフィードバックされるし、今あるさまざまな社員制度は、現場から出てきた声をもとに生まれたものです。
高橋:課題が見つかれば専門家を呼んで講習会を開いたり、「休みが取りづらい」という声から9日間の連休取得制度である「エルロイ9」が生まれたり。環境をよくするためのPDCAがしっかり回っています。
岩田:最近では社員の稼働状況や売上などを可視化し、全社員が見るこのできるシステムを作りました。現場からの声を吸い上げる仕組みと、それにスピーディに対応する体制が機能しています。
伊藤:部長会議では「若手が働きやすい環境をつくろう」と常に話し合っています。
—人を育てる仕組みも充実しています。自身では入社後の変化をどう感じますか。
岩田:エルロイではさまざまな仕事に関われるので、制作としてのスキルも幅も広がりました。それに、プランナーやディレクターに対して意見を主張したり、いい意味で勝負し、ぶつかり合えるのはとても楽しいです。以前は制作は段取り上手で器用なら自分でなくてもできると思っていたのですが、今はそう思うことはなくなりました。
土屋:新人だった子が一人前になって仕事のクオリティも別人のように上がっていくのを間近で見て“人が育つ面白さ?を知りました。技術的にというより、人間的に成長できたと思います。
—今後会社として、あるいは個人として何を実現していきたいですか?
岩田:これまで話してきたように、エルロイはコミュニケーションも密で、自分に合った能力を伸ばしてくれる環境もあるので、いいものを作っている自負があります。
「同じ額を出すなら、エルロイのほうがいいものを作ってくれるから頼もう」と思われるように頑張っていきたいです。
伊藤:僕は若手に編集の技術を伝えていくことを最優先にしつつ、この会社に入って、映画の経験を持つ和田や土屋からオフラインの奥深さを学んだので、ドラマや映画などの長尺にチャレンジしたいです。
土屋:それぞれがもっと競って切磋琢磨する集団になりたいし、だからこそ「会社に来るのは楽しい」という場にしていきたいですね。エルロイは「つくる手ざわり」を大事にする会社です。規模が大きくなっても、それは変わることはありません。
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