プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営するPR TIMESは、2018年8月にスポーツの情報発信支援プロジェクトとして「SPORTS TIMES」を立ち上げた。スポーツチームや協会団体などがパートナーシップを組むことで、リリース配信サービスを無償で利用することができるというもの。現在、JリーグやBリーグ、フェンシングをはじめ多様なスポーツから66のチームと協会団体が加入している。2月には日本スポーツ協会ともオフィシャルサプライヤー協賛契約を締結した。
選手個人の情報発信も増加
近年、スポーツ団体やチーム、自治体、NPOなど様々な分野でPRの力が求められている。特にスポーツ分野での広がりについて、PR TIMES マーケティング本部の熊谷童夢氏は次のように話す。
「以前までスポーツチームの情報発信は試合の予定や結果報告などがほとんどでしたが、最近では地域でのイベントといった草の根的な活動に触れるようなニュースの発信が増えているように感じます。SNSの普及によって、選手が個人で発信をするケースも多いですね」。
SPORTS TIMESを活用した情報発信のメリットは、メジャーなスポーツは試合結果以外の活動にも目を向けてもらえること、あまり一般的でなかったスポーツは興味を持ってもらえる可能性が高まること。同社 マーケティング本部の宗近昌彦氏はその理由について「PR TIMES」に集まる情報の多様性が大きいと説明する。
「『PR TIMES』はグルメや地域など、いろいろな関心軸でメディアの記者が情報収集したり、検索やSNS経由で生活者が直接目にしたりといったことも増えています。ここでリリースを配信することで、思いもよらない接点が生まれるということもあります」。
「○○×スポーツ」で新たな層に
では、スポーツ団体やチームのPRにあたって、どのようなコンテンツが有効なのだろうか。熊谷氏は「○○×スポーツ」の視点が重要だと話す。「単なる試合結果だけではこれまで以上に取り上げられることは難しいですが、地域のイベントやグルメ、お酒などと掛け合わせたイベントを実施し発信することでスポーツ以外のメディアや生活者に興味を持ってもらえる可能性が広がります」。
とあるサッカーチームではスタジアムを利用してヨガのイベントなどを開催し、ライフスタイル系のメディアに取り上げられるなど、普段リーチできない人々にチームを知ってもらうチャンスにもなっている。さらにPR TIMESでは、360度の画像を活用することでよりインパクトのあるコンテンツ配信も可能だ(詳しくは下記コラムを参照)。
スポーツが社会に与える影響は大きく、そしてそれは非常にポジティブなものが多い。「SPORTS TIMESや360度の画像を活用した積極的な情報発信が、その先のファン獲得や既存のファンの愛着心の醸成、地域活性化につながれば」と熊谷氏は話している。
360度の画像活用で表現の幅も拡大へ
様々なジャンルでPRの必要性が高まっている一方で、リリースにおける表現方法も広がりを見せている。リコーとPR TIMESは2019年3月から、プレスリリース配信における360度の画像活用で連携している。「PR TIMES」の利用企業に対してリコーの360度カメラ「THETA(シータ)V」と三脚を無料で貸し出す。撮影した写真はリコーのクラウドサービスに保存し、プレスリリース内に挿入することができるという仕組み。クラウドサービスの利用料金は月額5000円からとなっている。
「360度の画像は住宅や店舗、オフィス、工場、イベント会場など空間全体を伝えるのに特に適している」と宗近氏。店舗オープンやイベントレポートでの活用も見込めそうだ。「今まで平面的な写真では伝えきれなかった空間を発信することができ、360度の画像を掲載してもらえるウェブメディアもあります。商品やサービスによって写真、動画、360度の画像など最適な手段を選んでほしいです」。
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