大きく変わる“サロン選び”
次に市場環境についてご説明いたします。通常パブリック市場とプロフェッショナル市場は競合関係にありますが、サロンの場合、シャンプーやカラーだけでも種類が豊富で選択肢が多いため、お客さまのニーズに合わせたヘアケアや似合うカラーを提案することができます。
全国理美容製造者協会の調査によると、30歳代~40歳代の女性は年々髪への意識が高まっており、年間でサロンへ行く回数と一回あたりの利用金額は2015年から増加傾向にあります。ただし、一サロンあたりの利用年数は減少、つまり短期間でサロンを変える傾向があることもわかっています。
その理由は主に2つあります。ひとつは「オーバーストア」です。日本の人口が減少する中で、サロンは前年比1.5%増加しております。現在は約25万軒あるといわれ、コンビニの店舗数の約5倍あります。
ふたつめは「サロンの検索、予約の変化」です。2000年には、サロン探しは駅前のチラシやサ予約は電話が主流でしたが、2010年には検索サイトやネット予約が主流になりました。2016年にはスマホ時代が到来し、InstagramやLINEでの情報収集や予約ほか、アプリへと移行します。
これにともなってか、サロンにも利便性を求めるようになっています。たとえば駅に近い、当日予約できる、初回は割引してもらえる――などです。サロンを選ぶ基準に利便性が加わったことが、サロンを短期間で変える理由となっていると考えます。
だからこそ、各サロンにとって、他店と差別化したり、来店者を定着させるための取り組みが重要となっていす。このようなサロンの悩みを解決し、業界を活性化させるために、アイデアを募集いたします。
サロンをサポートしている取り組みについて
最後に、当社が行っている現状の施策についてご説明します。美容師にとって必要なスキルをサポートするエデュケーションを開催しています。現在は、20歳代の美容師が40歳代のお客さまと接する機会も多いため、世代差があっても円滑なコミュニケーションが行える教育もしています。
また、美容師はアーティストでもあるので、フォトコンテストや、感性力を養うための情報誌の発行や、美容学校の学生向けコンテストなども実施しています。