企画づくりを「習慣」にしてしまおう ヒントは毎日の「服選び」

【前回コラム】「自信のあるアイデアが、自己中心的な企画になってしまう理由」はこちら

日々アイデアをキープして、クローゼットを充実させておく

版権:Kaspars Grinvalds/123RF 写真素材

「企画をつくる」というと何だか身構えてしまいますが、「企画をつくる=毎日の服選び」くらいの軽い気持ちでとらえればよいのではないかと思っています。

洋服を選ぶとき、脳内では天気や気温、その日にある行事など、いろいろな状況を加味してセレクトしていると思います。けれど、毎日のことなので、習慣としてあまり時間をかけずに決める方も多いのではないでしょうか。その感覚で、自然に企画をつくるイメージです。

企画を考える際、まず整理すべきことは、「どういう結果を生み出すための企画か」を明確にすることです。広告の企画制作の場合は、依頼主からのブリーフシートに記載がありますが、個人でお店を経営されている方からの依頼の場合は、目的をヒアリングすることも必要です。

目的が決まれば、それにあわせてクローゼットの中から洋服を選ぶように、知識や経験、そしてアイデアをコーディネートしていくイメージで進めます。つまり、クローゼットを充実させておくことが良い企画をつくる鍵だと思います。自分の知識や経験、「企画」には至っていなくても、ふと思いついてキープしていたアイデアなどの品ぞろえが良いほど、優れた企画が生まれる可能性は高まります。

その上で、ターゲットの共感を生む企画にするには、「自分がターゲットだったらどうか」となりきってみることも必要だと思います。自分とかけ離れている場合もありますから、世代や性別を問わず、多くの人と会話をして情報収集することも得策かもしれません。もちろん、世の中の流れを知ることも大切です。時代に合った企画にするには、普遍的なアイデアのネタとトレンドの技術や方法を組み合わせることが有効です。

そして、企画を納得させるためには、企業やブランドの「らしさ」を研究することが重要。そうすることで、その企業やブランドが持つ印象との一貫性、統一感があるよう調整したり、「らしさ」を理解した上で、あえて違う視点から話題性を狙ったりということもできます。

最後に、同じ課題から発想したものでも、人によって全く違うアウトプットになることは珍しくありません。洋服のコーディネートと同じで、みんな違うクローゼットを持っているからおもしろいのです。身構えずに企画をつくる習慣をつけて、自分なりのコーディネートをぜひ見つけてみてください。

山本 伸明 氏

矛盾社 代表/クリエイティブディレクター

グレイワールドワイド、ジオメトリー・グローバルを経て2019年株式会社矛盾社設立。グラフィックデザインで培った技術と考え方を軸に、これまでCI開発、パッケージデザイン、広告キャンペーンなど幅広く手がける。受賞歴として、One Show銀賞、SPIKES ASIA銀賞、Cannes Lions、Adfestなど多数。

 

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