小学校6年生が「帝国ホテルでごはんをたべたい」
中村:先生がやってることは僕もWebの記事でしか知らないんですけど、教育の中にゲーミフィケーションのようなものを入れて、アクティブラーニングというんですか? 勝手に子どもにやらせて、先生は見てるだけ、ルール作りをしているという感じなんですよね。
沼田:そうですね。教育というと「教えて育てる」となってますけど、基本的に自分で育ってくれれば一番いいわけです。なのでシステムをつくってあとは楽しくして、子どもが勉強をしてくれればいいんです。
権八:やる気というか、モチベーションを引き出すいろいろな仕掛けをね。僕が読んだのは6年生の担任のときの帝国ホテルの話です。
沼田:あぁ、帝国ホテル。6年生の担任になったときに「最後何しようか」という話を最初の4月にはじめたんですよ。そこから「ホテルでごはん食べたくない?」とはじまって。
権八:それって子どもたちが? ませてるなぁ(笑)。
沼田:クラスのみんなでできて、俺たちしかできないことやろうと言って。遊園地に行きたいという話もあったんだけど、卒業遠足で行けない? という話になって。同じお金だったら、絶対小学生が行かないところに行きたいよね、という話からはじまったんです。じゃあ帝国ホテルだろうと。
一同:(笑)
沼田:帝国ホテルはきっと子どもたちが大人になってもずっと帝国ホテルでいてくれるじゃないですか。外国のホテルだと名前が変わったりするけど、あれは嫌だなと思っていて。あとは後付けですけど、あそこにうちの小学校の最初があったところなので。
権八:へー! あ、そうなんですか。
沼田:でも、お金あるのか? ない。じゃあどう稼ぐ? という話になって。
権八:リスナーのみなさん、これ小学校6年生の話ですからね。12歳。
沼田:バイトは禁止じゃないですか。どうする? と彼らが調べてきたのがテレビ番組の「ナニコレ珍百景」だったんですよ。
権八:あれは応募すると何かもらえるんでしたっけ?
沼田:選ばれると3万円だったかな。そこからリサーチチームができて、ネットでリサーチした結果、小学校で番組に取り上げられたところは今までないと。でも、俺たちの「ダンシング掃除」はいけるんじゃないかと。
権八:ダンシング掃除。またこれ新しいワードが出ましたが、これ何ですか?
沼田:3曲やる間に掃除を終わらせる、ただしサビの時間は掃除したらダメ、踊らないといけない。
権八:面白いですね。ダンシング掃除、どんな曲でやるんですか?
沼田:最初は子どもたちが恥ずかしがるので羞恥心を解除しようと思って「ももクロ」の「怪盗少女」。ジャンプするじゃないですか、あれがいいなと思って。あそこからはじめて、あとは子どもたちが自分で選んで。
権八:ぬまっち先生がももクロの大ファンというわけではなく?
沼田:その直前にたまたま何かのテレビ番組を見て、頑張ってる子たちがいるんだと初めて知って。
中村:掃除の時間にいかに掃除をさせるか、というのが先生のミッションになるわけじゃないですか。なのに、サビは掃除するな、踊れというルールにしようというのは?
沼田:「ペンキ塗りたて」と書いてあると触りたくなるじゃないですか。アレですよ。
権八:やるなと言われるとやりたくなる。