珍百景に登録されたダンシング掃除
沼田:そう。だからやるなにしようかなと。で、踊ったらまあまあ楽しいじゃないですか。それをやってるうちにいろいろな親が面白いからとビデオを撮ったりして、いいね、いいねと言ってると恥ずかしさがだんだんとれて、よりダンスを極めようとなって。ダンスだけめちゃくちゃ練習するようになって。
権八:僕が読んでなるほどと思ったのは、あなたは箒係、机運ぶ係と決めてしまうとみんなそれしかやらない、自主的にやらないと。だから、そういうことを一切排除してるんですよね?
沼田:そうです。あとうちの学校は掃除と給食の時間が一緒になってるので、給食食べて、掃除が終わって、残った時間が昼休みなので、掃除が早ければそのぶん昼休みが延びますから、彼らにとってもいいんです。ダンスしなければもっと早いじゃん、という話もあるんですけど、ダンスしなかったときのほうが早いかということもそんなになくて。
権八:掃除自体が楽しいイベントになっていくということですよね。
沼田:そうですね、3、4年生の担任だったときに子どもたちに「学校で一番楽しいこと何?」と聞くと、「掃除」と。
権八:素晴らしい。凄いですね。
沼田:掃除が一番で、次が給食で、4番目ぐらいにやっと授業が出てくるんです。なかなか授業が出てこない。
中村:それでダンシング掃除が珍百景に選ばれて。
沼田:そうです。そのときも凄かったですよ。何がいいかとリサーチかけて。そのときはダンシング掃除はじめて半年以上経っていたので3曲目ぐらいの曲で踊ってたんですけど、突然踊りだすときのギャップを見たときにももクロがいいだろうと彼らが選んで、昔の曲をもう1回やって撮影して出しました。
権八:自分たちで見せ方を考えて。
沼田:そう、これが番組を見たときに一番おーっと思うだろうと子どもたちが考えて出したら見事に撮影が来て、珍百景に登録されました。その後は作文コンクールやら、何とかコンクールなど、作品を千以上送ったんじゃないですかね。普通は夏休みに絵を描いてくるの嫌ですけど、彼らは自分たちのために必死に描いてるんですよ。それで受賞するとクラスの貯金になるので。
権八:凄い、自分たちの手柄でとった賞金をクラスに貯金すると。これ今、話が宙ぶらりんになってますけど、帝国ホテルへの道です(笑)。
沼田:10月ぐらいに思うように受賞できなくて、何とか帝国ホテルのランチに行こうと言っていたら、彼ら偉いのが、コンクールの審査員は誰か、去年の受賞作品はどうなってるのかとか調べはじめて。
中村:(笑)。作文コンクールなどの?
沼田:はい、リサーチ班が全部リサーチして、去年の作文はこうで、この審査員の作家はこういうのが好きだからこっち系で書こうと。そうなると取っちゃうんですよ。
権八:めっちゃドヤ顔してます(笑)。
中村:学級会で作戦会議をするんですか?
沼田:やってます、やってます。
権八:自然とリサーチチームなどの各プロジェクトが立ち上がってるんですか?
沼田:そうです。絵の得意な人はこれ描きませんかと。最後のほう凄いなと思ったのは壁新聞コンクールがあって、これ系の記事を集めておくようにという指示が飛んで、年開けてから1、2日でつくって、「先生これ絶対取れるから」と凄い自信で。わかりましたと出したら本当に取りましたからね。
中村:違う目標のために頑張ってるのに、結果見たら自信をもてたり、優秀になってるということですよね?