ラジオと音声広告のこれから

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写真123RF

2018年は、ラジオ媒体としてはデジタルオーディオ及びデジタルオーディオアドに注力した年でした。

ラジオリスナーが「ラジオ」を「ラジオ」として聴く時代から、「音声コンテンツ」として聴く時代に入り、今はまさにその過渡期だと思います。リアルタイムでなくても、自分の好きな番組、お気に入りのMCの放送を、スマホやPCから手軽に聴く環境がさらに整いました。

radikoでは10月から「radikoオーディオアド」がスタートし、ターゲティング指定配信広告ができるようになりました。音声以外のデジタル広告で当たり前に実施できていることが、radikoオーディオアドでも可能になったのです。

オーディオ(音)は、企業メッセージ等を直接「耳」に届けることができます。マクロミルの調査によると、スマホの平日の利用状況は、何も聴かずに画面を見ている人、スマホからラジオや音楽を聴いている人など、スマホを通して「耳」から情報が入る可能性のある消費者が8割。

聴く態勢で音声を楽しむので、700万人と言われるオーディオユーザーの「耳時間」に情報を発信することは、リーチ獲得に有効だと感じています。今後はターゲティングできるインタレスト項目が増える予定ですので、ラジコはオーディオアドとして一つの指標になると期待されます。

また、ラジオ番組は音声放送だけでなく、出演者の動画を作成・再生する、書物の作成、クライアントのオウンドメディアで再生する、など二次利用の動きが活発になってきています。このようにラジオ媒体は番組を一つのコンテンツととらえ、様々な方法で配信する=多くの人にリーチするメディアとして、さらにコンテンツが重視されると思います。

それぞれの放送局がそれぞれの局の特徴を活かした番組(コンテンツ)作りをすることで、ラジオがもともと得意としてきた、パーソナリティとリスナーの向き合い(face to face)を活かし、音声ならではの「エンゲージメント」作りが強固になるのです。

オーディオアド・オーディオビジネスの進化が加速する中で、重要なのは「コンテンツ力」と「インタラクティブ性の強化」です。当社のラジオ局では、局内にオーディオビジネス専門の部署を2017年から立ち上げ、様々な取り組みを始めております。2017年にスタートした「ラジオクラウド」は、現在62万DL/提供コンテンツは27,000本以上。

音楽配信サービス「spotify」も動画、音声、バナーという多様なメニューでオーディオアドが注視されています。また今春からは、米国の音声広告テクノロジー企業Instreamatic社と提携し、AI技術を活用した「インタラクティブ音声広告システム」の日本およびアジアでの販売など、新しいビジネスチャンスの構築に取り組んでいます。

ここで注目すべきは、やはり「音声広告」です。デジタルアドでは、バナー・動画・音声、主にこの3つが1セットとして使われますが、意外と見落とされているのが「音声」ではないかと思います。音声は、視覚を奪われることがなく、ストレスが少ない環境でユーザーへ話しかけることができ、またユーザーも音声で返答することが可能なので、よりインタラクティブなコミュニケーションが実現できるのです。

これからのデジタルオーディオアドにとっても「音声をしっかりつくること」が重要になってくると思います。

蓮池朋子
博報堂DYメディアパートナーズ ラジオ局業務推進部

 

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博報堂、大広、読売広告社の経営統合により、それぞれの持つメディア・コンテンツ機能を統合して、これまでに例のない「総合メディア事業会社」として2003年に設立。メディア・コンテンツビジネス領域において、プラニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジといった機能を駆使して、広告主・媒体社・コンテンツホルダーに対して最適な課題解決力を提供している。

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