流通×メーカーで販売売上が30%向上! ライフから学ぶ店頭サイネージの活用法

「ライフ」の店舗に「DELISH KITCHEN」の店頭デジタルサイネージが導入され、全国の約270店舗に設置。今回、「DELISH KITCHEN」を用いてミツカンとライフで販促コラボレーションを行った。その店頭でのプロモーションについて話を聞いた。

左)エブリー「DELISH KITCHEN」カンパニー リテールソリューションズ部 部長 鵜飼 勇人 氏
中)ライフコーポレーション 首都圏販売促進部 販売演出課 課長代理 目黒 浩 氏
右)エブリー 「DELISH KITCHEN」カンパニーリテールソリューションズ部 礒部 多恵 氏

メーカーとのコラボ動画で
店頭のデジタルサイネージを活用

目黒:昨年の10月から「DELISH KITCHEN」との協業を本格化させ、店頭デジタルサイネージを全国の店舗に設置してきました。2019年2月に全269店舗への導入と、毎週販売する商品に合わせて、レシピ動画をピックアップする社内でのオペレーションが始まっています。

店頭デジタルサイネージでは、リアルな店舗だからこそできる顧客価値を高めることを目的に、売り場の雰囲気を壊さないよう各メーカーのテレビCMなどの主張が強い動画は配信しておらず、「DELISH KITCHEN」のレシピ動画や自社制作コンテンツなどをメインに配信してきました。

ですが、売出し中の商品とサイネージが置かれた売り場の食材や商品との連動ができていない点や、店頭デジタルサイネージの販促効果の最大化が課題となっていました。そこで、ミツカンさんからいただいた、ひな祭りの商談がきっかけとなり、メーカー商品とプライベートブランド商品を掛け合わせたレシピ動画で、売り場と店頭デジタルサイネージの内容を一致させた一体陳列を実施することになりました。

食材の販売売上が30%以上向上
大型モニターで更なる効果アップも

メーカー商品とプライベートブランドを材料に、店頭でレシピ動画を配信。両商品の売上向上に寄与した。

鵜飼:そこでひな祭りの時期に合わせて、ミツカン様の「五目ちらし」とライフプライベートブランド商品の「マグロ」「北極圏生サーモン」を使用し、ちらし寿司のレシピ動画を制作しました。そして、その動画を各店舗の鮮魚コーナーのサイネージに配信し、売り場と連動した動画施策を行いました。

礒部:施策としては、売り場と店頭デジタルサイネージを一体化させ、どう購買につなげるかを軸に考えました。今までのデータから、必要な材料が多いと料理をつくるというアクションにつながりづらい傾向がわかっていました。ちらし寿司は材料の多いイメージがあるので、「DELISH KITCHEN」が得意とする材料が少なく簡単につくれて、かつ見た目に華やかなレシピという点を訴求ポイントとして表現できるようにしました。

さらに、レシピに使用する食材はプライベートブランドを活用するなど、全てライフ店舗内で購入できるものだけで完成できるよう工夫。結果として、動画配信期間中の販売点数・売上が昨対比で30%以上向上し、手ごたえを感じています。

目黒:実施まで約2カ月と短い時間でしたが、柔軟に対応していただき迅速に施策を行うことができました。レシピカードも店頭デジタルサイネージと一体化させたことで視覚的に印象に残ったのか、手にとって帰るお客さまが非常に多かったですね。

鵜飼:今回の施策では、モニターの大きさについての実証実験も行いました。ライフ様の中でも大型モニター(32インチ~55インチ)と10インチのタブレットサイズで展開している店舗があります。どちらの方がより多くのお客さまに視覚的に訴えられるのか、実際に購買につながるのかを検証しました。結果としては大型モニターの効果が高く、10インチのものと比較して販売点数・売上が160%以上伸びていることがわかりました。

今後のコンテンツの見せ方や制作、店頭デジタルサイネージでの施策展開のヒントになったかなと考えています。POPとの連動や、BGM、音声ナレーションの有無など、売り場での一体感をより出していくための実証実験は今後も実施予定です。

目黒:売り場としても、今後はさらにレシピ動画内で紹介する商品の特設スペースを店頭デジタルサイネージの側につくっていくなど、一体陳列に力を入れていきたいと考えています。

新たなチャレンジで
店頭サイネージの活用方法を模索

目黒:今回の施策は社内からの反応も非常に良く、店頭におけるデジタルサイネージの新たな活路を見出せたと思います。

鵜飼:「DELISH KITCHEN」のレシピ動画を活用することで今まで、通り売り場の雰囲気を壊さずにメーカー商品を訴求させることを実現し、実購買につなげることもできました。また、併せてレシピ動画で活用した小売のプライベートブランドの食材の実購買アップが見られたこともメーカー・小売と三位一体で進める上で非常に重要なことだと思っています。

礒部:今回は調味料でのコラボ施策を実施しましたが、いろいろな業種のメーカーさんと連携していけるものです。すでに他の調味料メーカー以外にも、飲料メーカー、加工食品メーカー含め様々なメーカーから打診をいただいています。売り場連動した施策提案を拡大させていく予定です。

目黒:他部署からもサイネージに動画を流したいという声がありました。また、他メーカーさんからの引き合いもある状況で、実際にいくつか話も進んでいます。

鵜飼:今後は販売計画を参考に、折込チラシ・店頭陳列・店内訴求メッセージの一体化をより高める支援をしていく計画。今回の結果を元にコンテンツの最適化を図り、「DELISH KITCHEN」として”食”のトータルサポートを目指して挑戦していきます。



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