いま、デジタルメディアをプロデュースするということ。

【前回コラム】「変化に対応できる出版社のビジネスモデル」はこちら

最近、アマゾンで低酸素マスクという商品を購入しました。きっかけはジムで珍しいマスクをしている人を見かけて気になり、その後、ポータルサイトで検索をして、アマゾンやツイッターでクチコミを調べて、インスタグラムで実際のユーザーの利用シーンを確認し、2週間検討した結果、商品を購入しました。商品に興味を持ってから、商品を購入するまでのタッチポイントはジムとスマホのみです。

私がインターネット広告の業務に携わりはじめた10年前はおろか、数年前の自分からは、インスタグラムを見てモノを買うこと自体、想像がつかない出来事です。

こうして改めて一生活者としての自分自身の購買行動を振り返ると、デバイスやパブリッシャー、プラットフォーマーが日々急速に進化、変化を遂げていることを実感させられます。

私が携わっているデジタルメディアプロデュース業務を物凄くシンプルに言うならば、広告主がパブリッシャー、プラットフォーマーを通じ効率的かつ、効果的に、そして安全にアドを届けられるように業務全体をプロデュースし、成果を出すことです。

実際にはもっと複雑ですがこれだけシンプルに考えたとしても急速に変化をするプラットフォーマーやテクノロジー、生活者の行動を捉えながら、これらを達成し続けるのは容易なことではありません。

しかし、近い将来、シングルソースデータは急速に精緻なものとなり、生活者の取りうる行動もリアルタイムに分析され、アド運用自体もAIによって限りなく自動化、最適化されていくことでこれらの難しい状況が一気に打破される可能性もあります。トランスペアレンシー(透明性)やブランドセーフティ、精緻なターゲティングやメジャメントを突き詰めていくという議論がなくなり、コンテンツをどうするかという議論により多くの時間を割くことになるかもしれません。

インターネットメディアという視点だけで考えても、5G時代の本格的な幕開けとともに、そもそもデバイスという概念も大きく変わり、メディアへの接触体験そのものに大きなイノベーションが起きれば、既存のインターネットアドのフォーマットも大きく変わるでしょう。

インターネットメディアに携わるとは、常に変化に柔軟に対応すること、そして、変化に対応するだけではなく、広告主、プラットフォーマー、パブリッシャーとともに変化を生み出し、予測し、その時代の生活者のインサイトを捉え続けることかもしれません。

赤松義隆
博報堂DYメディアパートナーズ プラットフォームビジネス局

 

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博報堂、大広、読売広告社の経営統合により、それぞれの持つメディア・コンテンツ機能を統合して、これまでに例のない「総合メディア事業会社」として2003年に設立。メディア・コンテンツビジネス領域において、プラニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジといった機能を駆使して、広告主・媒体社・コンテンツホルダーに対して最適な課題解決力を提供している。

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