商用サービス開始、音を振動と光で感じる「Ontenna」を体験できる展覧会

6月20日まで東京・GOOD DESIGN Marunouchiにて、髪の毛で音を感じる新しいユーザインタフェース「Ontenna」の体験とOntennaのこれまでの活動を発表する展示「Ontenna展 感じること、それが未来。」が開催されている。

Ontenna(オンテナ)は髪の毛や耳たぶ、えり元やそで口などに身に付け、振動と光によって音の特性を、からだで感じる新しいユーザインターフェース。ろう者と健聴者が共に楽しむ未来を目指し、開発者である本多達也氏がはこだて未来大学在学中からろう者と協働で開発を進めてきた。

本多氏は大学1年生の時にろう者と出会ったことがきっかけで手話の勉強を始め、手話通訳のボランティアや手話サークルの立ち上げ、NPOの設立などをろう者と共に経験。卒業研究では人間の身体や感覚の拡張をテーマに、ろう者と協働して新しい音知覚装置の研究を始める。そして生まれたのが、「Ontenna」である。

2014年にこの取り組みで、未踏スーパークリエイタに選出され、2016年に富士通に入社。その後、オープンイノベーションのもとデザイナーやエンジニア、社内外の人たちを巻き込みながらプロジェクトを進めている。

発表会で話す本多達也さん。

本展に先立ち行われた発表会では、Ontenna30台を1日20万円から貸し出す「Ontennaイベント支援サービス」の開始と全国ろう学校へ「Ontenna」体験版の無償提供(本体10台、コントローラ1台、充電スタンド11台をセットにしたもの)、さらには7月よりECサイトにて一般への販売を開始することが発表された。

「当初はろう者の方に音を届けたいという思いから作ったものですが、多くの人に使ってもらって、笑顔になれるような体験を作っていきたい」と本多氏。今後は音楽、スポーツなどのイベントでの活用を見込み、2021年までに1000イベントへのサービスを提供していく考えだ。

現在開催中のOntenna展では、Ontennaの体験と共に、これまで取り組んできたろう学校や、音楽、スポーツイベントでの活動を紹介。会期中には、落合陽一氏らが登壇するトークイベントを開催する(要予約)。

Ontennaを装着したモデル・俳優として活動する奈苗さん。

「Ontenna展 感じること、それが未来。」

会期:開催中、6月20日まで
会場:GOOD DESIGN Marunouchi
時間:11:00~20:00 無休
入場料:無料

Event 01:Design × Ontenna
日時:6月17日(火) 19:00 – 20:00
ゲスト:御園 秀一氏 / 上田 義弘氏 / 高見 逸平氏 / 本多 達也氏

Event 02:「JST CREST xDiversity シンポジウム」
日時:6月18日(火) 18:00 – 19:30
ゲスト:落合 陽一氏 / 菅野 祐介氏 / 遠藤 謙氏 / 本多 達也氏

※いずれも要申し込み。詳細は公式サイトにて確認のこと。

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