日本は遅れているのか? アドベリフィケーションのグローバルスタンダードから見る日本独自の“進化”とは?

昨今、日本においても「アドフラウド」「ビューアビリティ」「ブランドセーフティ」を始めとする、デジタル広告の品質問題に対する関心は高まりつつあり、アドベリフィケーションの重要性は認識されつつあるものの、業界を挙げての取り組みが進む欧米に比較すると、まだ日本の対応は遅れているのも事実だ。
国内の状況に対して問題意識を持ち、パブリッシャーとしてアドベリフィケーション対応に力を入れてきたpopInは「Advertising Week Asia2019」にて、このテーマをもとにパネルディスカッションを開催。パネルディスカッションで議論された、日本におけるアドベリフィケーション対応の在り方とは。

写真左からpopIn Inc. 取締役副社長 髙橋 大介 氏、アイプロスペクト・ジャパン Chief Business Officer 上村 祐輔氏 、日本マイクロソフト デジタル & ブランドマーケティング部 部長 松田 恵利子氏 、インテグラル アド サイエンス ジャパン(IAS)シニアアカウントエグゼクティブ/エバンジェリスト 山口 武氏、宣伝会議 出版担当取締役 谷口 優。日本マイクロソフトをクライアントにアイプロスペクト・ジャパン、popIn、IASジャパンは日頃、アドベリフィケーション対応に共に取り組むパートナー関係にある。

アドベリフィケーションへの対応は当然という海外の意識と日本の温度差

2019年5月28日から30日までの3日間、東京ミッドタウンを中心に開催された「Advertising Week Asia2019」。世界最大規模のマーケティング・コミュニケーションのイベント「Advertising Week」のアジア版で、東京での開催は4回目となる。

popInは5月28日、本イベント内にてアドベリフィケーションに関するパネルディスカッションを開催した。近年、日本でもその認知は高まっているが、具体的な対応面では欧米諸国に比べ、遅れているのが実情だ。今回のパネルディスカッションでは、アドベリフィケーションの導入が進む海外での状況をふまえながら、日本国内での導入が進まない理由と、導入のために必要なことについて、さまざまな立場でデジタル広告に携わる4者が話し合った。​

パネルディスカッション冒頭では、デジタル広告における昨今の問題を改めて整理して提示した。

popIn
取締役副社長 髙橋 大介 氏。

グローバル標準と比較して、日本にはまだ改善の余地がある

議論の前提として、まず日本のアドベリフィケーション対応はグローバルスタンダードと比較し、本当に遅れているのかという問いが投げかけられた。この問いに対してIASの山口氏はブランドセーフティ、アドフラウド、ビューアビリィの3つの項目について、国内外の取り組み状況の比較データを紹介。「一番目立つのはビューアビリィ。PCで11.8%、スマートフォンでも11.6%の差がグローバル平均との差が出ています。国内には、まだ改善の余地がある」(山口氏)と話した。

インテグラル アド サイエンス(IAS)の山口 武氏からは「IASメディアクオリティレポート」のデータが紹介された。

popInの髙橋氏は、今年の3月に国内の広告主企業を対象に行ったアンケート結果を紹介。アドフラウドについては72%、ビューアビリティについては74%の広告主企業が「対策が進んでいない」と回答した結果について触れ、「認知は進んでいるものの、対策はまだ十分ではない」との懸念を示した。

popInの髙橋 大介 氏は国内の企業のアドベリフィケーションに対する意識についてデータをもとに言及。

インテグラル アド サイエンス ジャパン(IAS)
シニアアカウントエグゼクティブ/エバンジェリスト 山口 武 氏。


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