「広告のフロンティア拡張は今」中村勇吾さん×三菱自動車工業「雲海出現NAVI」チーム座談会 - 2018ACC賞ブランデッド・コミュニケーション部門 Aカテ(デジタル・エクスペリエンス)シルバー受賞作品

ACCは手口のショーケース

中村:最近、ネット上でピュアに創作を楽しんで発表している人が増えたじゃないですか。単純に面白いし、発見に溢れていると思う。そういうなんのしがらみもなく自由に創作に打ち込む人たちがとても強い時代で。広告の、いろんなしがらみのある10人家族ぐらい引き連れたおっさんと、そういう自由な人達が同じ空間上で戦うとなると、なかなか勝てないですよね。

井手:正直者がバカを見るみたいなところがありますよね。いろいろやっても自分の作家性を残せる人と、そうじゃない人がいる。

橋爪:得意先の課題とか、年々倍増しているのは感じるし。

井手:悩みの量もジャンルも、すごい増えている。

中村:企業の人には、ネット上のプロジェクトでどういうことが大事とか、そういうリテラシーは浸透しているんですか。説得は通じるんですか。

橋爪:短期成果を求められると、こういう雲海みたいのは遠回りじゃないですか。少しずつ三菱自動車を好きになる人が増えるけど、短期成果じゃない。「そんなのつまんないよね」と言ってくれる人がいれば、ちょっと夢のプロジェクトができる(笑)。

井手:今、手口ってものすごく広がっているじゃないですか。こんなに可能性があるんだということを、クライアントが知っているとマーケティングがおもしろくなっていくと思うんですけど。なかなか知る機会がないと思うので、ACCは手口のショーケースとしてすごくいいなと。事例があればクライアントさんも想像できて、会話しやすくなるので。

中村:賞って啓蒙が8割9割なんだけど、審査で多数決取ると手堅いので決まるのが残念。確かに素晴らしいんだけど、それはもうみんな知ってるよみたいな。どの賞もだいたい同じ面子になってしまう。もうちょっと角度を持った、ディレクションなのか審査方法なのか、そういうのがないと広がらないですよね。こんだけいろんな仕事があるんだから。

橋爪慎一郎さん(博報堂/クリエイティブディレクター)

橋爪:ゴールドかシルバーかという上下よりも、視野の広さと多様性だから、幅で受賞しないと。上下を決めるのは賞として必要だけど。

グランプリ以外は横並びで詳しく解説するほうが、次の時代な感じがします。だからThis oneの勇吾賞をもらえるほうが嬉しいですよ。人の視点で獲っているほうが参考になります。

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一般社団法人ACC
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